F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリが、ポルシェが結局2026年からの参入を断念することになっても、F1はそれに対処できると示唆した。
■レッドブルとポルシェの交渉が決裂した理由は?
一時は新たなF1エンジンレギュレーションが導入される2026年からレッドブルとポルシェが手を組むのは確実だと考えられていた。しかし、最近になって両者の交渉が土壇場で決裂してしまったことが明らかとなっている。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ポルシェとの契約が最終的に決裂したのは、レッドブルの50パーセントの株式を取得する計画だったポルシェがホーナーにチーム代表を辞任することを求めたことによるものだったのではないかとのうわさを否定し、次のように語った。
「私には憶測についてコメントする必要はないよ」
「このパドックには常に根も葉もないうわさがあるからね」
「だが、私は最近このチームで長期的にやることを確約した。だから、これまでに行われたどんな話し合いも経営体制が同じであることが条件だったんだ。それはこれまで常に完全に受け入れられてきていたよ」
■正式エントリー期限が迫るポルシェ
一方、レッドブルとの提携計画が頓挫したポルシェは、現在、かつてポルシェのWEC(世界耐久選手権)プロジェクトを率いていたアンドレアス・ザイドルがチーム代表を務めるマクラーレンや、やはりポルシェの親会社であるフォルクスワーゲンでモータースポーツ部門を統括してきた実績を持つヨースト・カピートがチームCEOを務めるウィリアムズに目を向けているのではないかとうわさされている。
しかし、FIA(国際自動車連盟)が定めた2026年のF1エンジンエントリー期限は10月中旬までとなっており、もしポルシェがそれまでにいずれかのチームと契約を結ぶことができなければ、ポルシェは2026年からのF1参入を断念せざるをえないことになる。
だが、ドメニカリは、もしそうなったとしてもF1はそれに対処することができると示唆している。
■ポルシェは今後も不可欠な存在だとF1のボス
「私に言えることは、ポルシェは2026年に施行される新しいパワーユニットのルールについてこれまで議論を重ね、今後も議論を続けていくグループにとって不可欠な存在だということだ」
「我々はポルシェとレッドブルによるコメントはすべて読んでいる。そして、どうするかを決めるのは彼らだ」
今週末に今季のF1第16戦イタリアGP(11日決勝)が開催されるモンツァでそう語ったドメニカリは、次のように付け加えた。
「しかし、私は現在のF1は非常に開放的なプラットフォームであると信じている。表に出ることを望んでいないほかのメーカーもテーブルについているよ」