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ベッテルの環境活動に注文をつけたアストンマーティンF1チーム代表「事前に相談して欲しい」

2022年07月20日(水)3:57 am

アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックが、セバスチャン・ベッテルが今後F1グランプリ開催に合わせて何か環境問題などに関するキャンペーンを展開するときには、事前にチームと相談して欲しいと考えていることを明らかにした。

■ベッテルの環境保護活動には批判も

かつて4回F1チャンピオンとなった実績を持つドイツ出身ドライバーのベッテルだが、最近では環境問題や政治問題に関する活動を行ったり、コメントを発したりすることが増えており、それに対しては賞賛の声もあるものの、同時に批判を受けてもいる。

今季のF1第9戦カナダGPが開催されたモントリオールでは、サウジアラビアの大手石油会社であるサウジアラムコの支援を受けるチームにいながら、カナダが行っているオイルサンドの採掘に抗議したベッテルを地元のエネルギー担当大臣が非難したことも記憶に新しいところだ。

■事前に相談してくれればもっとやれることもあるマイク・クラック

ベッテルと同じドイツ出身のクラックは、こうしたことについて、母国のテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。

「それに関しては誰もが自分の意見を持っている」

「トップレベルにある知的なアスリートを沈黙させることはできないと思うし、彼がそれに力を注いでいるからといって批判するのはフェアではないと思う。カナダで起きたことはその最たる例だよ」

「だが、チームの代表として私が望むのは、セバスチャンが彼の行動に関して我々とさらに緊密に協力し、事前に我々に話してくれることだ。一緒にやれば、もっとやれることがあるよ」

■ベッテルがまだ2023年の契約を決断しない理由は?

一方、ベッテルとアストンマーティンが結んでいる現在の契約は今シーズンまでとなっているが、現時点では2023年に向けてその契約が延長されるのかどうかはまだ不透明な状況だ。

アストンマーティンではかねてよりベッテルとの契約更新を望んでいると明言しているものの、まだベッテル側が態度を保留にしているのが現状のようだ。

これに関しては、サウジアラムコの支援を受けるアストンマーティンが、ベッテルが環境保護活動を行うことに対して何らかの制限を設けたいと考えていることが、2023年の契約締結を遅らせている原因となっているのではないかと考えている者もいるようだ。

■夏休み明けにははっきりさせていく必要も

だが、クラックは、アストンマーティンがベッテルにプレッシャーをかけているようなことはないと主張している。

「我々とセバスチャンはとてもいい関係にある。だから、期限を設けたいとは思っていないんだ。彼は我々の意見を知っているよ」

「彼は我々が本当に彼と続けたいと思っていることを知っている。根本的なところで、どうすれば一緒に未来を想像することができるのか、そのアイデアを交換する話し合いが行われているし、それに時間をかけているところなんだ」

「もちろん、いつかは決断を下さなければならないときが来る。だが、私には彼が時間稼ぎをしているような印象はないよ」

「夏休み明けが、もっと具体的になれるときだろうし、そうしなくてはならない時期だと思っている。それまでは、我々にはプランBはないよ」

■アストンマーティンのプランBはミック・シューマッハ?

仮に、ベッテルとの交渉が不調に終わった場合には、アストンマーティンとしては“プランB”を検討せざるを得ない状況となるわけだが、うわさではその際の候補のひとりはベッテルとも親しい関係にあるミック・シューマッハ(ハース)だろうとも言われている。

だが、クラックはまだそうした検討をする段階にはないと主張している。

「我々は後継者候補の話をしているのではないよ。彼とも、ほかの人たちともね」

2021年までBMWのモータースポーツ責任者を務めていた50歳のクラックはそう語ると、次のように付け加えた。

「我々はセバスチャンがとどまってくれることを望んでいるんだ」。

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