レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、人種差別発言を行ったことでジュニアドライバー契約を解除したエストニア人ドライバーのユーリ・ビップスに対し、今後一切の支援を行うことはないと断言した。
■レッドブルF1チーム代表が支援継続を示唆していたビップス
2018年の終盤にレッドブルと育成ドライバー契約を結んだビップスは、2019年にはF3、そして2020年からはF2選手権で戦っている。
しかし、今年6月にオンラインゲームを楽しんでいた際にビップスが人種差別用語を使用したことにより、レッドブルはビップスとの契約を解除するという決断を下した。
だが、その後、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、精神衛生面及び教育的観点から今後もビップスをサポートしていくことになるだろうと語っていた。
■ビップスとの関係は完全に消滅したとヘルムート・マルコ
だが、このほど、レッドブルのドライバープログラム責任者であるマルコは、母国オーストリアの『ORFチロル』に次のように語った。
「はっきりさせておきたいと思う」
「ユーリ・ビップスはもはやレッドブルから何のサポートも受けていない。自分の行動には責任を持つ必要があるし、その結果、我々の協力関係は終了している」
とは言え、21歳の若者がオンラインゲーム中に不用意に差別用語を口にしたことで一切の契約を解除するのは厳しすぎるのではないかとの声もある。
だが、これに関して、79歳のマルコは次のように続けた。
「もちろん、言葉は才能あるアスリートのキャリアを破壊する理由にはならない」
「しかし、これが世界的な傾向なんだ」
■所属F2チームからはチャンスを与えられたビップス
レッドブルの支援は失ったものの、ビップスが所属しているF2チームのハイテック・グランプリはこの件でビップスとの契約を解除することはなく、そのままレースへの出場を許しており、現時点ではビップスはランキング8番手に位置している。