レッドブルのヘルムート・マルコ博士は、かつてレッドブルとともに4冠のF1チャンピオンを獲得したセバスチャン・ベッテルが、シーズン途中でヘルメットを脱ぐ事になったとしても驚かないと考えている。
●【タイムスケジュール】2022F1第4戦エミリア・ロマーニャGP
■F1ではすでに世代交代が起こっている
マルコは「フェルスタッペン、ルクレール、ノリス、ラッセル」が「今後数年間を形作る」と考えており、F1ではすでに世代交代が起こっていると考えている。
「ハミルトンにはまだ豊富な経験があり、昨年は極端に摩耗したタイヤで素晴らしいタイムを出す事ができた事からもよくわかる」とマルコは『f1-insider.com』に語った。
「しかし、若者の熱意や活力、純粋なスピードにいつもしている事がついていけなくなる時期がやってくる。セバスチャンの場合、クルマの面で最も不利な立場に置かれているという事実もある」
■アストンマーティンには金はあってもチームスピリットが足りない
アストンマーティンはその責任を負い、多くの点と同様に億万長者のチームオーナーであるローレンスストロールに矛先を向けている。レッドブルのマルコはチーム運営には金だけではないと考えているようだ。
「私の見立てでは、これはまだチームスポーツだという事だ。チームスピリットと団結力が必要なんだよ」
「そのおかげで、我々は何度も引き抜かれそうになりながらも、非常に長い間重要な人材を確保し続ける事ができたんだ。アストンマーティンはいくつかの引き抜きは成功したが、個人を引き抜いただけで成功したと思っても無駄だ」
■ベッテルは突然引退するかも
そのため、34歳のベッテルは最終的に今シーズン終了前にでもF1を辞める決断をする可能性があるとマルコは考えている。
「基本的に、シーズンの途中で辞める事は、セバスチャンのような強烈な性格には合わない」
「しかし早急にチームが改善されなければ、彼のモチベーションを維持する事はますます難しくなる。いずれにせよ、このような状況の4度のワールドチャンピオンを見るのは心が痛むよ」
マルコはまた、かつてレースウイークエンドの途中で突然引退した偉大なニキ・ラウダとベッテルを比較する事も否定した。
「ニキとは違うんだ。セバスチャンと違って、彼は当時、多少なりとも競争力のあるクルマを持っていた。でも、もう自分には合わないという事に気づいたんだ」
「2年契約で悪いクルマに乗っているベッテルとは違う。彼はもっといいマシンを作るために戦い、自分を苦しめている」
「今シーズンを諦め、来年に進むという選択肢もある。しかし、その場合でも、ベッテルがこれ以上彼らを助けるためにわざわざ悩むとは思えないね」