元F1ドライバーのジャン・アレジが、2022年のフェラーリがタイトルを狙える存在であることはもう「疑う余地がない」と語った。
●【2022F1第1戦バーレーンGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■フェラーリの強さは本物だとアレジ
1991年から1995年までフェラーリのドライバーを務めた経験を持つ57歳のアレジは、2022年のF1開幕戦バーレーンGPでフェラーリが1-2勝利を飾ったことを受けてイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「もう疑ってなどいないよ」
「私はすでに、レッドブルが改善を望んでいるとか、メルセデスが間違ったマシンを造ったとか、そういう話を耳にしているよ」
「黄旗が振られたり、アクシデントがあったりしたからではなく、ここでは彼らはみんなアクセル全開で走り、先頭に位置していたんだ」
■メルセデスには神頼みが必要?
バーレーンGP決勝では、レッドブルは最終的に2台ともマシントラブルにリタイアに終わったものの、少なくともフェラーリには食らいついていくことができていた。だが、メルセデスの場合は必ずしもそうではなかった。レッドブル勢のリタイアによってルイス・ハミルトンが3位、ジョージ・ラッセルが4位となったメルセデスだが、バーレーンではフェラーリやレッドブルのスピードに追い付いていくことはできていなかった。
メルセデスは今後2022年のF1タイトル争いに加わるまでに復活することができると思うかと質問されたアレジは、微笑みながら次のように答えた。
「ルルドに行かない限り無理だろうね」
アレジが言及したルルドとはフランスの有名な巡礼地であり、このコメントはメルセデスには神頼みが必要だと揶揄したものだ。
幸運な形で開幕戦の表彰台に上ることができたハミルトンも、今週末に開催される第2戦サウジアラビアGP(27日決勝)でも自分たちが不利だという事実は変わらないだろうと次のように語っている。
「何らかの改善ができることを望んではいるよ。だけど、これは根本的な問題だし、修正するにはもう少し時間がかかるだろうね」
「低中速コーナーではリアがすごく弱いし、ストレートでも非常に遅いんだ」
「それがドラッグ(空気抵抗)によるものなのか、パワーのせいなのかは分からない。まだ原因をつかめていないんだ」
■レッドブルが抱えた問題は?
一方、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスが共にレース終盤にリタイアしたのは燃料ポンプに不具合が発生したことによるものだと伝えられている。
だが、フェルスタッペンはそれと同時に、チームからレース中に与えられたアドバイスが的確なものでなかったことにも怒りを感じているようだ。
フェルスタッペンはオーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語った。
「今後は、僕は自分の感覚だけを頼りにしていくよ。それがベストだと思う」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、フェルスタッペンが怒りを感じるのも無理はないと次のように語った。
「彼が通常のペースで走っていれば、彼は先頭に立っていただろうし、そこですべてをコントロールできていたはずだ」
「だから、マックスが怒るのも当然だよ」
フェルスタッペンはレース中に無線を通じてステアリングが重いと訴えていたが、マルコはこれに関して次のように付け加えている。
「彼は運転するのが難しくなっていたんだ。それは設計上の欠陥によるものなのか、それとも些細な原因によるものなのか、これから調査することになる。だが、我々は第2セクターでも遅すぎたよ」