世界最高峰二輪選手権であるMotoGPの最高責任者であるカルメロ・エスペレータが、大きな論争を引き起こしてしまった2021年のF1選手権の終わり方について苦言を呈した。
昨年のF1最終戦アブダビGPでは、レース終盤にセーフティカーが導入された際にF1レースディレクターを務めるマシが本来ルールに規定されていないやり方でレースを再開させたことで、それまでルイス・ハミルトン(メルセデス)に大きな差をつけられていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にとって有利な展開となり、結果としてフェルスタッペンがファイナルラップでハミルトンを逆転。ハミルトンはほぼ手中に収めたと考えられていた通算8回目のタイトル獲得を逃してしまった。
「私はMotoGPにあのようなフィナーレを望んでいないよ」
MotoGPを運営するドルナ・スポーツのCEOを務めるエスペレータは母国スペインの『Marca(マルカ)』にそう語ると次のように付け加えた。
「もちろん、私も2人のライダーが最終戦までタイトルを争ってほしいと思う。しかし、あのような終わり方に関しては、ノーだね」
アブダビGPでの采配に関して大きな物議を醸すことになったFIA(国際自動車連盟)所属のマシに関しては、更迭される可能性が高いと考えている者が多いようだ。
そのことについて質問されたエスペレータは次のように答えた。
「僕は誰に対しても賛成も反対もしていない」
「素晴らしい世界選手権だったし、最後まで戦いが続いた。だが、最後に論争が起こったのはよくないことだ」
そう語ったエスペラータは、ハミルトンがアブダビGP以降沈黙を続け、公の場に姿を見せなくなったことに言及しながら次のように付け加えた。
「あの後で疑念が生じ、2位となった者が何も言わなくなったという事実は好ましくないね」
実際のところ、7度F1王座についた実績を持つハミルトンに関しては、このままF1を引退する可能性もあるとの噂がささやかれ続けている。
これに関して、インド出身の元F1ドライバーであるカルン・チャンドックは次のように語っている。
「正直なところ、もし本当にそうなったら、FIAがすぐに正常な状態に戻すのはかなり難しいだろうね。だから、そうならないことを願うよ」