F1公式タイヤサプライヤーであるピレリで自動車レース責任者を務めるマリオ・イゾラが、2022年のF1マシンが昨年との比較において大幅に遅くなるようなことはないと語った。
2022年に導入される新F1技術レギュレーションでは、F1マシンのシャシー自体がダウンフォースを発生させるグラウンドエフェクト効果を持つものになり、その代わりにフロントウイングやリアウイングはよりシンプルなものとなる。
これは、F1マシンが発生する乱気流をできる限り抑制し、マシン同士が接近しやすくするためであり、その結果としてコース上でのバトルやオーバーテイクが増加するものと予想されている。
だが、その一方で、18インチホイールの導入やマシンのサイズ変更などにより車重が昨年よりも40キログラム近く増加することなどもあって、ラップタイムは昨年よりも5秒から6秒遅くなるのではないかとも言われている。
しかし、イゾラは、そうした見方は的外れだとフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「チームが行ったシミュレーションによれば、新しいマシンは昨年のものとの比較においてそれほど遅くはならないようだ」
「最初は、1周あたり3秒遅くなるだろうと考えていたが、今では0.5秒か1秒だろうと言われているよ」
「だから、もし昨年と1秒しか違わない状態でシーズンが始まれば、シーズン中にはおそらく2021年と同じレベルのパフォーマンスに達するということだ」
イゾラによれば、これまでの13インチタイヤに代わって今年から導入される18インチタイヤは、過熱の抑制やドライバーのアタック能力の向上など、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が要求したすべての項目をクリアしているという。
イゾラはさらに、今年からF1の公式タイヤホイールサプライヤーを務めることになった日本のBBSとはすでに2020年から共同作業を行ってきていたのだと明かしている。
「2020年にBBSのリムに18インチタイヤを装着してテストを行ったときから彼らと一緒にやり始めたんだ」
そう語ったイゾラは次のように付け加えた。
「毎週ワーキンググループのミーティングを開いて進捗を確認することは、非常に有効なアプローチだったよ」