F1レースディレクターを務めるマイケル・マシが、F1が競技レギュレーションの全面的な変更を2023年まで延期し、チームが2022年シーズンに導入される新たな技術レギュレーションに集中できるようにすることになると認めた。
F1では2022年からこれまでとは大きく変わる新たな技術レギュレーションを施行することになっており、これによってF1マシンの外観が大きく変わるとともに、これまでよりも接近戦が可能となり、レースがよりエキサイティングになるものと期待されている。
こうした中、2019年からF1レースディレクターを務めるオーストラリア出身のマシによれば、チームがその新たな技術レギュレーションを完全に理解するための時間を確保するために、競技レギュレーションの見直しは1年延期されることになるようだ。
「実際、チームとのコンセンサスは得られているよ」
そう語ったマシは次のように続けた。
「私にはやるべきことがたくさんあることはわかっていたが、多くのチームが率直に、新しいクルマなどいろいろなことに対応することになるし、我々としても手元にあるものを微調整することにしたいと言ったんだ」
「2022年に向けて変更されたすべての要素を我々がよく知っているフォーマットを適用することになる。なぜなら、来年のニューマシンにはさまざまなことが起こるだろうからすでに知っているものを選ぶ方がいいからだ。すべてが未知のものだと目隠しをして飛ぶようなものだし、そんなことには慣れていないからね」
「だから、2023年まで延期することにし、2022年のレギュレーションで変更されたあらゆる関連要素には現在のフォーマットを適用することになる」
しかし、現在の競技レギュレーションに規定されていることの中には2022年に変更が予定されているものもある。例えば、現在は木曜日がメディア対応日としてレギュレーションに規定されているが、来年にはこれがなくなり、金曜日から日曜日までの実質3日間でレース週末が構成されるようになると考えられている。
さらに、今年試験的に実施されたスプリント予選が2022年には正式にレギュレーションの中に記述されることになるはずだ。
FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は2023年に完全版となる新競技レギュレーションを導入することで間違いないかと尋ねられたマシは次のように答えた。
「そうするつもりだ。2023年を目指している」
「スポーティングディレクターたちも、Covid対策などあらゆることに対応しており、全員がもっと頭を使う時間が必要であることから12か月延期する方がよいということで全員が明確に同意しているよ」