メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、チームとしてルイス・ハミルトンに2021年のF1タイトルをとらせるため、今後のレースではボッタスがそのサポート役に徹することになると明言した。
実際のところ、2020年に通算7回目のF1タイトルを獲得したハミルトンがメルセデスのナンバー1ドライバーであり、ボッタスがナンバー2としてそれを支援する立場であることは明白だと考えられていたものの、メルセデスとしてはこれまでずっと2人のドライバーは自由に戦うことができると主張していた。
しかし、先週末にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGPの予選ではハミルトンがボッタスのスリップストリームを使うことで翌日に行われるスプリント予選の1番グリッドを手にしていた。さらに、日曜日に行われた決勝では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とのクラッシュにより10秒ペナルティを受けたハミルトンを前に出すようにボッタスにチームオーダーが出されていた。
こうしたことに関し、ヴォルフはこのほど次のように語った。
「バルテリがタイトルを勝ち取るチャンスはルイスと比べるとすでに非常に小さくなってしまっているし、ルイスは現在非常に接戦となっている」
「我々はこの問題について話し合ったよ。そして、ドライバーにとってどれほど辛い話であっても、今シーズンは我々のドライバー同士がポイントを奪い合うような余裕はないんだ」
実際のところ、現在ランキングトップに位置しているフェルスタッペンと2番手のハミルトンのポイント差はわずかに8ポイントとなっている。しかし、ボッタスとフェルスタッペンの差はすでに77ポイントに開いており、ボッタスが逆転してチャンピオンになれる確率はほぼゼロに近いだろう。
ボッタスがハミルトンのサポート役をうまくこなすことができれば、来季もメルセデスのシートをキープするチャンスが大きくなるのかと質問されたヴォルフは次のように答えている。
「それは要素のひとつに過ぎない。しかし、私はその支援をうれしく思っているよ」
「私はこのチームワークを見るのが本当に好きなんだ」