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F1には「自然なトラックリミット」の方が好ましいとGPDA会長

2021年04月22日(木)18:16 pm

GPDA会長が、「トラックリミット」に関しては明確かつ厳密にルールを適用する必要があると語った。

今年のF1では従来に増して「トラックリミット」に関する話題が取り上げられるようになっている。

その最大のきっかけとなったのは、開幕戦バーレーンGPにおいて、コース外にマシンをはみ出させてルイス・ハミルトン(メルセデス)をオーバーテイクしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に対し、再びハミルトンを前に出すようFIA(国際自動車連盟)のレース競技委員が指示を出したことだ。

だが、ハミルトンもそれまで何度かトラックリミットを超えて走行してものの、その際には何のアクションもなかったことから、ルールの適用基準が一貫していないと問題視されているわけだ。

近年では、各F1サーキットの特定のコーナーにこの「トラックリミット」が設けられるようになっており、その部分をはみ出して走行することが禁じられている。そうすることによって事故の発生リスクも増すと考えられるためだが、その一方でそのラインで走った方が結果的にラップタイムが向上する場合もあるため、ほとんどのドライバーがトラックリミットぎりぎりを狙って走行する形となっている。

F1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めている元F1ドライバーのアレクサンダー・ブルツはこれに関して母国オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語った。

「私はこれまで常に人工的なトラックリミットには反対してきた。必要なのは自然なトラックリミットだ。芝あるいはグラベル(砂利)の方がもっとよく機能するよ」

ブルツが言うように、コースをはみ出してしまえばすぐに芝やグラベルにつかまってしまう構造となっているサーキットであれば、ドライバーたちがそうならないように自然に気をつけることになるためだ。

しかし、そうしたやり方は、そのサーキットを使うほかのカテゴリーにはうまく適さないことも多く、すべてのサーキットでそういう構造を採用することは不可能だ。

ブルツも、ルールがある以上はそれを厳密に適用するのが現状では一番望ましいことだと次のように付け加えている。

「もし、すべてのドライバーが故意にすごく大回りしたら、レースディレクターの安全計画が意味をなさなくなってしまう。だからほかに選択の余地はないよ」

今年からフェラーリで走っているカルロス・サインツも、ルールとしてある以上、それは厳密に運用すべきであり、トラックリミットが設けられた箇所において4輪すべてが白線をはみ出した場合には問答無用で罰則を適用するべきだと語り、次のように続けた。

「僕はすでに自分の意見をFIAに伝えてあるんだ。どのコーナーにおいても同じルールを適用するべきだとね」

「白線を使おうが、何かほかのものを使おうが、それはかまわない。だけど、境界はあるべきだよ。ドライバーはみんなこの意見に賛成だと僕は思うよ」

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