NEXT...F1開催スケジュール

【メルセデス】F1予算削減対策のひとつとして“新事業部”を設立

2021年03月05日(金)5:17 am

メルセデスでは“バジェットキャップ”と呼ばれるチーム予算上限額設定に対応するために新たな事業部を立ち上げている。

今年からF1チームの予算に上限値が設けられており、2021年の場合は年間約150億円以下の予算でチームを運営しなくてはならない。さらに、2022年以降は段階的にこの上限値が下げられていくことになる。

これまでこの額を大きく超える予算を投入していた大規模チームの場合、予算が減らされるということはチーム規模の縮小を余儀なくされることにつながる。

だが、単純に社員を解雇するような手段をとれば倫理的問題も発生することになるため、チームは余剰となる人員をほかのプロジェクトに投入するといった対策をとっている。

例えば、フェラーリの場合はエンジンカスタマーであるハースとの技術提携契約を拡大し、伝えられるところによればフェラーリ敷地内にあるビル1棟をハースのマシン開発専用として割り当て、フェラーリの技術者のうち何人かをそのプロジェクトに専念させるという対策をとっているようだ。

さらに、フェラーリでは2023年からWEC(世界耐久選手権)にワークスチームを参戦させるためのプロジェクトを開始し、ここにもF1チームに所属していた技術要員を投入する計画だという。

メルセデスもフェラーリのようにWECにワークスチームを送り込むことを検討しているかと質問されたメルセデスのトト・ヴォルフ(モータースポーツ責任者兼F1チーム代表)は、「現時点ではその計画はない」と答えている。

だが、ヴォルフはフォーミュラEに参戦しているワークスチームをさらに拡大する可能性を示唆している。

ヴォルフは、メルセデスのフォーミュラEチームは「ビジネスを培養する基盤であるとともに(F1スタッフにとっての)仕向港となるものだ」としている。

そして、メルセデスがもうひとつF1要員のための新たな行き先として2020年12月に立ち上げたのが『Applied Science(アプライド・サイエンス)』という新たな事業部だ。

ヴォルフによれば、この事業部では「アメリカスカップ(ヨットレース)」、「ツール・ド・フランス(自転車レース)」を始めとする様々な“ハイ・パフォーマンス・プロジェクト”を手がけていくことになるという。

「かなり忙しいよ」と微笑みを浮かべながらドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に語ったヴォルフは、バジェットキャップはメルセデスにとって大きなインパクトがあるものだが「それによって自分たちの会社を再考する機会が与えられた」とし、次のように付け加えている。

「そのために我々はアプライド・サイエンス部門を創設したんだ。この方法でF1の知識をほかの多くの顧客に届けるためにね。これは我々の会社において重要な役割を担うことになるだろう」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック