今週末にイタリアのムジェロ・サーキットで開催されるF1第9戦トスカーナGP(13日決勝)は、フェラーリのF1参戦1000レース達成を祝う場として設けられたレースだ。
新型コロナウイルスの感染拡大により大幅にF1カレンダーを見直す必要が生じたことから実現の運びとなったグランプリではあるものの、フェラーリはこのレースでいつもとは違う“ブルゴーニュ・カラー”が施されたF1マシンを投入。さらに、今週末のレースではF1オフィシャル・セーフティカーも赤く染められるという。
とは言うものの、このフェラーリのお祝いムードがもうひとつ盛り上がりに欠ける印象があるのも確かだろう。それは最近のフェラーリが全くと言っていいほど強さを示すことができていないことだ。
しかも、先週末にモンツァで開催されたイタリアGP予選ではシャルル・ルクレールが13番手、セバスチャン・ベッテルが17番手という結果に終わっている。さらに、決勝でもベッテルがブレーキトラブルで、ルクレールも大クラッシュを演じて2台ともにリタイアで終わるという最悪の結果となってしまった。
来季はアストンマーティン(現レーシングポイント)で走ることが正式発表されたベッテルだが、今週末のトスカーナGPを前にドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に対し、単に決勝で完走することができればフェラーリにとっては前進だと言えるだろうと語り、次のように続けた。
「そうすればいいスタートだと言えるだろう。少なくとも僕にとってはね」
「だけど、人生には近道なんてないんだ。僕たちが今この状態にあるのは、多分それにふさわしいからだよ」
「辛いよ。だけど、苦しんでいるのは僕だけじゃない。チーム全体が苦しんでいる。そして僕は自分も常にチームの一員だと考えているんだ」
「ここまでの数戦ではクルマを100パーセント機能できる状態にすることができなかった。多分、ムジェロでは少しは良くなるんじゃないかな。だとしても、僕たちが表彰台に上ることができるというわけではないよ」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「ほとんど期待はできないね」