レッドブルではメルセデスよりもさらに先進的なDASシステムの開発を目指しているようだ。
先週末にレッドブルリンクで開催されたF1オーストリアGPにおいて、メルセデスが2020年型F1マシンに搭載したDASシステムに関してレッドブルが正式に異議申し立てを行った。
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がDASは現在のルール上は合法であると認定したことから、少なくとも2020年シーズン中にはメルセデスがこれを使用し続けることが可能であることが確認されている。
このDASとは、“Duel-Axis Steering”の頭文字をとったもので、「2つの軸を持つステアリング」という意味を持つものだ。ドライバーがステアリングを前後に動かすことでフロントタイヤのトー角を変えることができるという機能を持つもので、これによりコースの状況に応じてタイヤの接地状況を調整することが可能となるものと考えられている。
レッドブルとしては、このメルセデスのDASは事実上レギュレーションで可変調整が認められていないサスペンションの一部であることは間違いないと主張したわけだが、それに対する異議が却下されたことを受けオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「結局のところ、それはタイヤのウォームアップに役立つんだ」
「シュピールベルクで技術に関する聴聞が行われ、そして(DASの合法性が)確認された」
ホーナーは、DASが合法であるならば自分たちのマシンに同様のシステムを搭載することも問題ないはずだとし、すでにレッドブルの設計者たちがそれに向けた調査を行っていることを明らかにしている。
「そのために多くの人材を投入しているよ。これが許されることが分かったわけだから、さらに先進的なソリューションを検討することになるかもしれない」
一方、先週末のレースでは優勝も期待されていたマックス・フェルスタッペンが序盤にマシントラブルでリタイアするという最悪の結果となってしまっていた。
だが、ホーナーは今週末に同じレッドブルリンクで開催される今季のF1第2戦シュタイアーマルクGPではもうそうしたトラブルは起きないはずだと次のように語っている。
「すべてのパーツを調べ、その問題を理解することができた。これからホンダとともにそれを解決する必要があるが、(アルファタウリ・ホンダも加えた)4台すべてに対策を講じることができると確信しているよ」