レッドブルはFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)とフェラーリが交わした「秘密の合意」の真相を追及する手をゆるめるつもりはなさそうだ。
新型コロナウイルスが猛威をふるい始める前のF1界における最大の話題は、違法性が疑われた2019年のフェラーリF1エンジンに関してFIAとフェラーリが「秘密の合意」を結び、これ以上調査を行わないと発表したことだった。
その際、フェラーリ及びフェラーリからエンジン供給を受けるハースとアルファロメオを除く7チームが共同声明を出し、FIAとフェラーリにその合意内容に関して詳細を開示するよう求めていた。
この件について質問を受けたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は『f1-insider.com』に次のように答えた。
「残念ながら、現時点においては我々はほかのことに対応しているところだ」
「しかし、だからと言って、もし状況が通常の状態に戻りさえすれば我々はFIAとフェラーリに関することをあきらめるつもりはないよ」
「コロナ危機の方が大きな問題となってはいるが、我々は今でもあの合意はスキャンダラスだったと考えている」
しかし、当初7チームが共同声明を出し、一致団結してFIAやフェラーリに真実の公開を求めていたもののメルセデスが突然この件から手を引いてしまうなど、ライバルチームたちの足並みにも乱れが生じているようだ。
「我々にはフェラーリあるいはFIAを傷つけようという意図はないんだ。だが、我々はあの奇妙な秘密合意がどのようないきさつでまとめられたのか、その完全な説明を引き続き求めていくよ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「メルセデスがいなくてもね。最初は彼らがこの機関車の運転席にいたものの、どういうわけか列車から飛び降りてしまったよ」