ドイツGP決勝レースが終了して数時間後、スチュワードはキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィのアルファロメオ2台に対して、レーススタート時のクラッチ違反でペナルティを科した。
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これにより、7位・8位のアルファロメオはトップ10圏外へ落ちることになり、そして5人のドライバーが順位を上げた。この結果、12位でフィニッシュしたロバート・クビサ(ウィリアムズ)が10位になり、ウィリアムズは2019年の初ポイントを獲得した。
■アルファロメオの2台、クラッチトルク違反
ライコネンとジョビナッツィはそれぞれ7位と8位でフィニッシュし、アルファロメオに今シーズンの最高の結果をもたらした。
しかし、レース直後にスチュワードはチーム代表を呼び出し、レーススタート時のクラッチトルクの適用に関連したスポーティング・レギュレーション第27.1条の違反の疑いについて討議した。
クラッチは共通のECUを介して電子的に制御されているが、チームはいくつかの制御パラメーターを調整することができる。しかし、FIA(国際自動車連盟)は有利な状況になるのを防ぐため、ドライバー側の操作でクラッチをリリースした時のトルクと、実際のクラッチのトルクが指定した制限内で一致することとしている。これは最大70ミリ秒(0.07秒)内に発生しなければならないとのことだ。
■FIA「ウェットで有利に」
しかし、スチュワードは、ドライバーがクラッチリリースを操作した時のトルク要求と、スタートした時のクラッチのトルクが指定された最大70ミリ秒(0.07秒)内に合致していないことを発見した。実際に要した時間は約200〜300ミリ秒(0.2〜0.3秒)だったことがわかった。
これによりトルクが緩やかになるということで、ウェットコンディションでは利点になるという。実際に優位性があったかどうかに関わらず、スチュワードはレギュレーション違反と判断した。
■アルファロメオ2台に「30秒のタイムペナルティ」
スポーティング・レギュレーション第27.1条に違反した結果、スチュワードは両ドライバーに10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを科すことを決定した。しかしレース後となったため、第38.3条に従い、ピットレーン走行時間も加味した「30秒のタイムペナルティ」をそれぞれのレースタイムに加算することになった。
■4台が繰り上がり、クビサは9年ぶり、ウィリアムズは今季初ポイント獲得
この結果、7位ロマン・グロージャン(ハース)、8位ケビン・マグヌッセン(ハース)、チャンピオンシップリーダーのルイス・ハミルトンは9位で2ポイントを獲得し、23レース連続ポイント記録となった。
そしてクビサは10位へと繰り上がり、8年の空白を経てF1に復帰して以来、初のポイントを獲得した。
厳しいシーズンに耐えているウィリアムズは、いまだ中団グループで戦える力はないものの、最近の一連の開発による改良が有望であることが示され、チームにとってすばらしい報酬となった。
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