セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、かつて7度F1タイトルを獲得したミハエル・シューマッハから助言を受けられないことが残念だと語った。
今年は最強のF1マシンを有していると言われているフェラーリだが、ドライバーのミスやチームの戦略ミスなどによってポイントを取り逃がしてしまい、残りレース数が6となった時点でベッテルはルイス・ハミルトン(メルセデス)に40ポイントもの大量リードを許してしまっている。
■シューマッハにもっと多くを学びたかった
ベッテルは母国ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に対し、同じドイツ出身であり、よき師でもあったシューマッハから助言を受けられないことをさびしく思うと次のように語った。
「もし彼が健康な状態だったら、僕はいろんなことを彼に尋ねたかったよ」
「単にどういう走りをすればいいかということだけではなく、目に見えない部分に関するさまざまなことをね。チームワークやF1での政治的なことなどだよ。彼はフェラーリにいたころ多くの経験を積んでいるからね」
現在49歳のシューマッハは2013年末に起きたスキー事故で脳に重大な障害を負ってしまい、現在もスイスの自宅で療養中だということ以外、何も詳細な情報は伝えられていない。
■ベッテルとフェラーリの間に溝が?
1998年と1999年にマクラーレンで2年連続F1チャンピオンとなったフィンランド出身元F1ドライバーのミカ・ハッキネンも、フェラーリとベッテルは「多くのミスと奇妙な判断」によって自ら2018年のタイトル獲得のチャンスを捨ててしまったのだと考えている。
「セバスチャンがミハエル・シューマッハに助言を請うことができたらよかったと言ったのを目にしたけれど、僕にはその理由がよく分かるよ」
『Unibet(ユニベット)』の自身のコラムにそうつづったハッキネンは次のように付け加えている。
「首脳部や上級技術スタッフたちとすごく密接に仕事をしていたことで、ミハエルはフェラーリチームに最大限の力を発揮させるにはどうすればいいかが分かっていたんだ。ベッテルはチームに対する信頼をいくらか失っているように見える。自分にとって必要なサポートをしてくれていないのではないかとね」
■シューマッハ時代にはあんなミスはなかった
F1の前最高責任者であるバーニー・エクレストンも同じように感じているようだ。
「もうすべて決してしまったよ。ハミルトンがF1チャンピオンだ」
スイスの『Blick(ブリック)』にそう語った87歳のエクレストンは次のように付け加えた。
「残念ながら、フェラーリはモンツァ(第14戦イタリアGP)とシンガポール(第15戦)を戦略ミスで台無しにしてしまった。あんなことはシューマッハがいたころのフェラーリには絶対になかったよ」