「メルセデスが2019年のルール変更に賛成したのは、その方が自分たちにメリットがあり、ライバルたちには打撃となるためだ」
そう主張するのはレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコだ。
2019年にはオーバーテイクをもっと増やすために新たな技術ルールを導入することが4月末にチームたちなどによる投票で確定した。
これにより、2019年にはこれまでとは大きく異なるフロントウイングやリアウイングが導入されることになり、まったく異なる空力処理コンセプトを確立していくことが必要となる。
だが、通常こうしたルール変更には反対の立場をとるチームが多いものであり、これが可決されたことに驚きを感じたものも少なくなかったようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、メルセデスとメルセデスからPU(パワーユニット)供給を受けているフォース・インディアは最終期限の15分前に賛成票を投じていたという。
メルセデスを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフはこれに関して次のように語った。
「実際のところ、それに対しては反対6割、賛成4割だったんだ」
「そして、我々はそのコンセプトを検討し、意味のあることだと理解したんだ。常に反対に回るわけにはいかないからね」
だが、マルコはメルセデスがその技術ルール変更に賛成したのはほかに理由があったからだと次のように語っている。
「メルセデスは新しいルールにしたかったんだ。なぜなら彼らの空力コンセプトはこれ以上改善の余地がないところまできているからさ。彼らは一から始め直すことを望んでいるのさ。そうすれば我々にとっては打撃となるからね」