FIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドが、F1ルールに関してドライバーに発言権を認めるべきだと主張したトップドライバーたちに対して反論を行った。
F1は2019年からコース上でのオーバーテイクを増加させるために空力パーツのルールを一部変更することを決定している。
だが、その新技術ルールを適用すれば、F1カーの速度は現在よりも遅くなってしまうのは明白だ。これは“速いF1”の実現を目指して2017年に大幅な技術ルール変更を行った流れには一見矛盾してしまう。
■自分たちの意見も聞くべきだとトップドライバーたち
こうした動きに対し、2010年から2013年にかけてレッドブルで4年連続F1チャンピオンとなった実績を持つセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)は「滑稽(こっけい)だ」と語り、次のように付け加えた。
「僕たちは何でも知っているとは言わないけれど、僕たちはクルマがどういう感触を示すかは知っているよ。だけど、僕たちの意見が聞かれることはまったくないんだ」
2014年にベッテルと一緒に戦ったことがあるレッドブルのダニエル・リカルドも次のように主張。
「少なくとも、僕たちの意見だって聞くべきだよ」
さらに、2017年に通算4回目のF1チャンピオンとなったメルセデスのルイス・ハミルトンも次のように語っている。
「僕たちが判断を下すべきだね」
■言いたいことがあればまず自分に言えとトッド
だが、こうした意見に対し、トッドはすでにドライバーが自分の意見を言う場は設けられていると主張している。
「それは彼ら次第だよ」
ドイツのニュース誌『Focus(フォーカス)』にそう語ったトッドは次のように付け加えた。
「私と話をしたい者は、それがトップドライバーであるかないかにかかわらず、48時間以内にそうすることができる」
トッドは、先週末にスペインGPが行われたバルセロナにおいてドライバーたちが直接自分のところに話をしに来る代わりにメディアに対して意見を語るという選択を行った結果、自分がそれに対応せざるを得なくなったことで気分を害してしまっているのかもしれない。
トッドは次のように付け加えた。
「もう“トッドがベッテルに反論”というような記事を読みたくはないよ。だが、あなた方はそう書くだろうね」