2017年に18歳でF1デビューを飾ったウィリアムズのランス・ストロールが、自分のF1初年度は10点満点中の8.5点だと自己採点した。
■実力を疑問視され続けたストロール
10月末に19歳となったカナダ出身のストロールだが、大富豪として知られる父親からの資金援助によってウィリアムズのシートを獲得したという事実もあり、そのドライバーとしての才能には疑問の目を向けている者も少なくない。
例えば、カナダの先輩ドライバーであるジャック・ビルヌーブもストロールに対しては常に辛口であり、最近も今年1年かけてストロールが成長したとは思えないとコメントしたことが報じられている。
■ルーキーイヤーに表彰台フィニッシュも
ストロールは自分に対してそうした見方があることに対し、次のように語った。
「今シーズンに関しては、非常に困難な時もあったと認めるしかないよ。特に序盤はね」
「だけど、いい時も何度かあったんだ。表彰台にも上った。最前列からスタートしたこともあった」
ストロールは第8戦アゼルバイジャンGPでは8番グリッドからスタートし、上位勢が混乱に巻き込まれたチャンスを生かして3位初表彰台を獲得。第13戦イタリアGPでは予選4番手となるパフォーマンスを見せ、決勝ではレッドブルの2台がグリッド降格となったことからルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)と並んで最前列からスタートしていた。
■自己採点は10点満点の8.5点
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』から、自分のデビューイヤーを10点満点で自己採点してくれと求められたストロールは次のように答えた。
「常に改善の余地はあるものだよ。だから10点ではないね。8.5点だと言っておこうかな」
「僕たちは本当にいいシーズンを過ごしたし、ポイントだってたくさんとれた。でも、9点はつけ過ぎだろうね」
■弱点の予選も改善はできるはず
ちなみに、今年のストロールの弱点は予選だったと考えられている。獲得ポイント数こそ最終戦1レースを残す時点でチームメートのフェリペ・マッサの42ポイントに対してストロールは40ポイントとかなり健闘していると言っていいだろう。だが、予選はここまでの18レース(マッサは第11戦ハンガリーGPで予選・決勝を欠場)で2勝16敗とマッサに大きく負け越してしまっている。
そのことについて尋ねられたストロールは、次のように主張した。
「すべてのエリアで改善することができるよ。多くのささいな部分をね」
「僕は予選で不運な目にあったことも何度かあった。だけど間違いなく自分自身を改善することもできる。間違いなく僕はもっと競争力のあるいいドライバーになれるよ。だけど、それには時間と経験が必要なんだ。今年はまだ最初のシーズンだよ」
■外野からの声は気にしない
2017年はベテランドライバーのマッサがストロールの指南役を務めていた。だが、マッサは今季限りでF1を引退。2018年にはストロールは新たなチームメートを持つことになる。
かつて1997年にウィリアムズでF1チャンピオンに輝いた経歴を持つ46歳のビルヌーブは、ストロールは、誰をチームメートに迎えるにしろ、ストロールは自分よりも遅いドライバーであることを期待しているはずだとのコメントも行っている。
そのことに水を向けられたストロールは、「僕について書かれたことや言われたことについてはあまり気にしないようにしているんだ」と語り、次のように続けた。
「僕は、僕のことを嫉妬(しっと)したりひどく嫌ったりしている人たちの記事を読んだり、耳を向けたりはしていないんだ。冷静さを維持することが重要だったからね」
「僕はまだ若いし、今年が最初のシーズンなんだ。F1に上がってくるまではすべてのカテゴリーで勝利を収めてきた。僕はレースに勝ち、タイトルだって勝ち取れるということを自分自身や世界に対して証明してきているんだ」
そう主張したストロールは、次のように付け加えている。
「これ(F1)は新しいシリーズで新しい仕事を始めたに過ぎないんだ。僕はそれに適応し、成長していく必要があるだけさ」