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モナコで明暗分かれたフェラーリドライバー 今後への影響は?

2017年06月01日(木)17:00 pm

2007年のキミ・ライコネンを最後に過去9年間にわたってF1チャンピオンを誕生させることができていないフェラーリだが、今季は確実にセバスチャン・ベッテルにタイトルをとらせるための戦略を展開しようとしているのではないかと言われている。

●【動画】フェラーリ、後味悪い完全勝利/F1モナコGP決勝レース・ハイライト映像

実際のところ、先週末のモナコGP決勝では2番グリッドからスタートしたベッテルを勝たせるために、意図的にポールポジションからスタートしたライコネンが不利になるピット戦略をとったのではないかと疑っている者も少なくない。

■モナコでベッテルがリードを25ポイントに拡大

ベッテルが最大のライバルであるメルセデスAMGのルイス・ハミルトンを6ポイントリードして迎えたモナコGPだったが、ハミルトンが予選で失敗して14番手に沈んだことにより、ベッテルが勝てばその差を大きく広げられるチャンスが訪れていた。

結果としてピット戦略でライコネンを追い抜いて優勝したベッテルは、ハミルトンが7位に終わったことでポイント差を25に広げることに成功している。

ベッテルはすでに今季4つめのターボチャージャーを投入しており、今後どこかのタイミングで5つめを投入すればグリッド降格ペナルティーを受けることになる。そうした状況の中でベッテルがハミルトンに対し1レース分に相当するポイント差を築くことができたのは、フェラーリとベッテルにとっては最高の結果だったと言うことができるだろう。

■怒りのライコネン フェラーリに新たな火種も

一方、モナコGP決勝でベッテルに抜かれて2位で終わったライコネンはレース後に怒りに満ちた表情を隠そうともしていなかった。ライコネンは、チームがベッテルに勝たせるために自分に不利なタイミングでピットインの指示を出したのだと受け止めていたようだ。

フェラーリの地元イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も、ライコネンがレース後にああした反応を見せたことはこれまでにないことだったと次のように書いている。

「あれはルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがいたときのメルセデスAMGに似ていた」

「これからフェラーリがそれにどう対応していくかが興味深いものとなるだろう。キミはモナコで行ったような形で自分の感情を表すことはこれまでは全くと言っていいほどなかった」

■ライコネンにとっては今後のパフォーマンスが重要に

今年10月に38回めの誕生日を迎えることになるライコネンに関しては、フェラーリは来季の契約を結ぶつもりはないようだとの推測もかなり前からささやかれていた。

しかし、モナコで2008年以来9年ぶりとなるポールポジションを獲得する活躍を見せたライコネンが、今後も同じような闘志をむき出しにした走りでベッテルを上回る成績を残すようなことになれば、そうした事態が変化することも十分に考えられるだろう。

『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように結んでいる。

「彼(ライコネン)の契約は(今年で)終わりを迎えるが、彼は来年もレースをしたいと考えているだろう。彼がモナコでやってみせた活躍を続けるとともにチーム内での立場を悪くするようなことがなければ、それは可能なはずだ」

ちなみに、ライコネンは現時点でトップのベッテルから62ポイント差のドライバーズランキング4番手につけている。

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