アメリカ籍のF1チームであるハースが、今年7月以降に開催される7つのGPにおいてフェラーリの控えドライバーを務めるアントニオ・ジョビナッツィを金曜フリー走行1回目に起用すると発表した。
ハースによれば、ジョビナッツィが金曜フリー走行を担当するレースは、第10戦イギリスGP(7月16日決勝)、第11戦ハンガリーGP(7月30日決勝)、第13戦イタリアGP(9月3日決勝)、第15戦マレーシアGP(10月1日決勝)、第18戦メキシコGP(10月29日決勝)、第19戦ブラジルGP(11月12日決勝)、最終戦アブダビGP(11月26日決勝)の合計7戦となる予定だ。
このうちメキシコGPではロマン・グロージャンが、それ以外の6戦についてはケビン・マグヌッセンがフリー走行1回目で自分のクルマをジョビナッツィに提供することになる。
■順調にステップアップを果たしてきたジョビナッツィ
現在23歳となるイタリア人ドライバーのジョビナッツィは、2012年からフォーミュラレースへの参戦を開始し、2013年にはイギリスF3でランキング2位、2015年にはヨーロッパF3選手権でランキング2位となるなど順調にキャリアアップを果たしてきた。
そして昨年はGP2シリーズに参戦し、チャンピオン候補最右翼だと目されていたが、惜しくも最後に今季スーパーフォーミュラに参戦しているピエール・ガスリー(レッドブル/控えドライバー)に逆転され、ランキング2位で終えている。だが、その実力と可能性が買われ、今季フェラーリの控えドライバーとして迎え入れられたものだ。
■すでにザウバーでF1デビューも達成
ジョビナッツィは今季、開幕戦オーストラリアGPで負傷欠場となったパスカル・ウェーレインの代役としてザウバーからF1デビューを飾ると、続く第2戦中国GPにも出走。オーストラリアでは12位完走、中国GPはクラッシュによるリタイアでレースを終えている。
今回、実質的にフェラーリのBチームだとも言われるほどフェラーリと強い協力関係を結んでいるハースで7戦にもおよぶフリー走行担当機会が与えられたということを見ても、フェラーリがかなり強力にジョビナッツィを後押ししているのが分かる。
■遠くない将来フェラーリにイタリア人ドライバー誕生?
現在フェラーリのドライバーを務めているセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンはいずれも今季で契約が切れることになるが、現在ランキングトップに立っているベッテルがこのままタイトル争いをリードしていくようであれば、来季もベッテルがフェラーリに残留する可能性が非常に高くなるだろうと考えられている。
一方で、現在37歳のキミ・ライコネンに関しては来季の契約を延長せず、フェラーリではもっと若手のドライバーと入れ替えることを計画しているようだともうわさされている。来季すぐにジョビナッツィがフェラーリのフルタイムドライバーに昇格できるかどうかはともかく、今回のことはフェラーリがジョビナッツィを将来のドライバー候補として育成しようという考えを抱いていることの表れとも見てとれそうだ。