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シーズン序盤のF1タイヤ選択は「安全策」が主流か

2016年03月09日(水)18:02 pm

今年からF1タイヤルールが変わり、これまでよりも1種類多い3種類のドライタイヤが各GPに供給されることになり、F1タイヤサプライヤーであるピレリが指定した3セット以外の10セットについては、ドライバーが自由に選択できるようになった。

【参考】F1ドライバーが開幕戦オーストラリアGP用に選択したタイヤは?

だが、やはり実際に開幕戦にどのタイヤを使うかを決めたのは、ドライバーよりもチームであった可能性が高い結果となっている。

■開幕戦にチーム内で違う選択をしたのは3チームだけ

ピレリは8日(火)に、開幕戦F1オーストラリアGPにむけて各チームのドライバーが選択したタイヤの明細を発表したが、それを見ると興味深いことが見えてくる。

例えば、フェラーリではセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンがいずれもミディアム2セット、ソフト5セット、スーパーソフト6セットを選択したのに対し、チャンピオンチームであるメルセデスAMGでは、ニコ・ロズベルグがフェラーリ勢と同じセットを選択したものの、ルイス・ハミルトンはミディアムを1セットのみとし、中間の軟らかさとなるソフトを1セット多く選択している。

開幕戦で最も優勝に近いドライバーだと考えられている4人のうち、ハミルトンだけが違う戦略でタイヤを選択したことになるわけだ。

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、ハミルトンが「非常に攻撃的」な戦略を取ったと書いている。

一方で、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ハミルトンは最大のライバルであるチームメートのロズベルグに対して「ポーカーゲームを仕掛けようとしている」と書いている。

■実際にタイヤ選択を決めたのはチーム

実際のところ、チームとしてレース戦略を立てる上では、データ管理などの問題からも、2人のドライバーが同じ種類のタイヤを同じ数だけ持っているほうがやりやすいということはあるかもしれない。

その証拠に、オーストラリアGPでチーム内のドライバーが違うセット数を選択したのはメルセデスAMG以外にはザウバーとハースの2チームだけだ。

こうしたことを見れば、開幕戦のタイヤ選択に関してはドライバーの意向よりも、チームの意向が優先されたと考えるのが妥当かもしれない。

そして、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のベテラン記者ミハエル・シュミットによれば、メルセデスAMGとフォース・インディアは、ドライバーではなくエンジニアがオーストラリアGPでのタイヤ選択を決定したことを認めたという。

■序盤は安全策だとフォース・インディア

フォース・インディアのスポーティングディレクターを務めるアンディ・スティーブンソンは、現時点では多くのチームが安全策を取ってくるだろうと次のように語った。

「最初の4レースでは、ニコ(ヒュルケンベルグ)とセルジオ(ペレス)の間に(タイヤ選択の)違いは生じないよ」

「もう少し経験を積んだ時点で、サーキットの特性やタイヤの性能によっては、ドライバーごとに違う運用をすることになるだろうがね」とスティーブンソンは付け加えた。

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