トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームス・キーが、今週バルセロナで行われたF1公式シーズン前テスト1回目で走行したトロロッソのF1カーは本当に2016年型車STR11に間違いないと主張した。
22日(月)から4日間にわたって行われたテストには、トロロッソは飾り気のないブルー1色のクルマを投入していた。これは、フェラーリエンジンへの変更決定が遅れたために新車開発が遅れ、今回のテストまでにはカラーリングが間に合わなかったためだと言われていた。
■テストで使ったのは実は昨年型車?
ところが、ドライバーのカルロス・サインツが、今回のテストに持ち込んだのは実は昨年型のSTR10で、そのシャシーに2016年型車用の新しいパーツを装着したものだと語ったことが報じられていた。
「クルマは2015年のものと2016年のものをミックスしたものなんだ」
そう語ったサインツは、「これはSTR11のパーツを付けたSTR10だよ。これは今回のテストだけのために用意されたものさ」と付け加えていた。
■正真正銘の新車だと技術責任者
だが、キーはスペインの『Marca(マルカ)』に対し、今週バルセロナで走行したのは「間違いなく今年のクルマだ」と語り、次のように続けた。
「暫定的なパーツが2つある。新しいものが次のテストまでにできてくることになっているためだ」
「だが、2015年のクルマから借用しているのはこのたった2つだけだよ」
そう語ったキーは、トロロッソの2016年型車はかなりの部分が昨年型車をベースとしたものになっていると認め、次のように続けた。
「我々は、昨年のシャシーに非常に満足できていた。我々にとっては大きな飛躍だった。だから、うまく機能したものはすべてそのままに留めておきたかったんだ」
■重量アップを余儀なくされたトロロッソSTR11
だが、ルノーエンジンからフェラーリエンジンへの変更決定が遅れたことにより、トロロッソの2016年型車の設計製造に関しては一定の妥協をせざるを得なかったのは確かだ。そのため、今年のクルマは昨年のものよりも重量が増加していると考えられている。
そのため、サインツは今季に向けてさらに減量するようにチームから要請を受けていたようだ。シーズンオフの間、サインツは母国スペインの有名なトライアスロン選手マリオ・モーラとともにトレーニングをしながら、懸命に減量に取り組んだことを明らかにしていた。