かつてルノーF1のチーム代表やメルセデスAMGの最高技術責任者を務めたこともあるボブ・ベルが、昨年の経営破たんからは復活したものの、常に最下位に沈む弱小チームであるマノー・マルシャに加わったことが報じられた。
そして、この件はすぐに、新たなうわさを呼び起こすこととなった。
■新ルノーF1の中心人物だと目されていたベル
昨年メルセデスAMGを離脱していたベルだが、その後古巣であるルノーに戻ったのではないかと言われていた。2008年にいわゆる「クラッシュゲート」スキャンダルに見舞われたルノーF1では、F1追放処分を受けたフラビオ・ブリアトーレに替えて2009年にはベルをチーム代表に指名していたこともある。
その後、ルノーF1は、投資会社ジェニイにエンストンに本部を置くチームを売却。チームはロータスと名前を変えている。そしてベルはこれに合わせてメルセデスへと移籍していた。
だが、今年に入ってルノーが再び自らのワークスチームを擁してF1復帰を果たす計画をしていることが明らかとなり、その中心人物となるのがベルであろうとのうわさがささやかれていた。
■ロータス買収がうわさされていたルノー
だが、最近のうわさでは、ルノーはかつてのワークスチームであるロータスを買い戻すのではないかとのうわさが強くささやかれていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ルノーの首脳陣がモナコにおいてロータスの最高経営責任者であるマシュー・カーターと会い、その件での交渉を行ったと報じていた。
そのモナコには、ルノーの会長兼最高経営責任者であるカルロス・ゴーンも姿を見せており、フランスの石油会社であり、ルノーのパートナー企業でもあるトタル社主催の会合にもF1最高責任者のバーニー・エクレストンとともに出席していたと報じられている。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、「ルノーが自らのチームを擁してF1復帰することを望んでいるのは明らかだ」と書いていた。
■ルノーのマノー・マルシャ買収説が一気に浮上
だが、ルノーとの関係が指摘されていたベルのマノー・マルシャへの移籍は、これまでまったく予想もされていないことだった。
しかも、今回ベルとともに、かつてケータハムやトヨタで活躍していたエンジニアであるジャンカルロ・ピサネッロもマノー・マルシャへ加わったことも明らかとなっている。
ルノーのF1プロジェクト責任者であるシリル・アビテブールや、ルノーのアンバサダーを務める元F1ドライバーのアラン・プロストなどの支持を得ていると言われるベルとピサネッロに関しては、どちらもルノーの新ワークスチームに加わるのではないかとうわさされていた人物だ。
シュミット記者は、「マノー・マルシャがルノーの新たなワークスチームとなるのだろうか?」と付け加えている。