今週末にモントリオールで開催されるF1カナダGP(7日決勝)に向け、エンジンメーカーの中にはついにシーズン中にパフォーマンス改善のための開発を進めるために「トークン(開発引換券)」を使用してところも出てきそうだ。
今季ここまでのところは、F1エンジンサプライヤーであるメルセデス、フェラーリ、ルノー、そしてホンダはいずれもパワーユニットの信頼性改善のための修正は施してきているものの、いまだにパフォーマンスアップのための「トークン」は使用していない。
そんな中、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、モナコGP(第6戦)後に、カナダでは新しいパワーユニットを投入するだろうと語っていた。
メルセデスエンジンの供給を受けているロータスの最高経営責任者マシュー・カーターも、イギリスの『Sky(スカイ)』に対し、「メルセデスでは改良版エンジンを持ち込むよ。だから我々もそれを楽しみにしているんだ」と語っている。
だが、メルセデスがカナダGPに持ち込むエンジンは信頼性の改善が施されただけで、いまだにパフォーマンス改善のためのトークンは使用されていないと考えられている。
一方、ライバルであるフェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネは、モナコで次のように語っていた。
「カナダに向けてトークンを使う予定はないよ。だが、いつ使うのかは聞かないでくれ。ドイツ人たち(メルセデス)にそれを知られたくないからね!」
だが実際のところ、フェラーリではカナダにはトークンを用いてパフォーマンス改善を行ったパワーユニットを投入してくると考えられている。
そして、カナダGPに向け、今季初めてトークンを使った開発を施してくるだろうと言われているもうひとつのメーカーがホンダだ。
だが、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは今週、長いストレートがあるモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは、ホンダエンジンを搭載するマクラーレンにとっては不利だと考えていることを明らかにしている。
「カナダはほとんどが低速コーナーなんだ。だけど、2つの長いストレートがあるから、僕たちにとっては難しくなるだろうね」
そう語ったバトンは、次のように付け加えた。
「僕たちにとってはあまり適したサーキットではないよ」
いずれにせよ、実際に各エンジンメーカーがカナダに持ち込むパワーユニットがどういうパフォーマンスを見せるかは、ふたを開けてみないと分からないという状況のようだ。