伝説的なイギリス人元F1ドライバーのスターリング・モスが、自分はセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のファンだと認めている。
今季もここまで、昨年のF1チャンピオンであるイギリス出身のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が圧倒的な強さを示している。だが、モスは同郷のハミルトンに対しては少々辛口だ。
現役時代はついにF1王座につくことのなかった85歳のモスは、「ルイスは、まだ偉大だと言えるほどではないと思うね」と語ると、「ルイスが本当に興味を持っているのは運転ではなく、音楽のほうだよ」と付け加えた。
一方で、モスは今季フェラーリに移籍したベッテルについては高く評価している。
「私はセバスチャンの大ファンだよ」
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったモスは、次のように付け加えた。
「彼はとてもいい人物だし、素晴らしいドライバーだ。私は彼のサインが入ったミニヘルメットを持っているほどさ!」
レッドブル時代に4年連続F1タイトル獲得という偉業を達成したベッテルだが、一番好きなのはどういう部分かと尋ねられたモスは、次のように続けた。
「彼はF1が大好きなんだ。偉大なレーシングドライバーになりたいと思うなら、そういう情熱を持つことが大切なことだ」
「これまで成功を築いてきたにもかかわらず、彼は地に足をつけている。彼は感じのいい若者だし、ライバルたちにも敬意を払っている。ファンジオ(ファン・マヌエル・ファンジオ/1950年代に5回F1王座についた伝説的ドライバー)もそうだったよ。彼も非常にバランスのとれた人物だった」
「それに、フェラーリ行きを決めた勇気にも敬服している。そして彼はすぐにチームに秩序をもたらした」
そう述べたモスは、次のように付け加えた。
「フェラーリで勝利してみせたことだけでも、セバスチャンは偉大なF1ドライバーだと言えるよ」