一週間前、俗に「シリー・シーズン」と呼ばれるドライバー移籍市場は、かなり明確になったようにみえた。
セバスチャン・ベッテルがレッドブル脱退を表明したからだ。そして所属チームも含め、誰もがベッテルはフェラーリに行くものと思い込んだ。
ところが、そこからパッタリと発表は止んでしまった。
F1第16戦ロシアGPの公式スケジュール初日の9日(木)になっても、フェラーリは口をつぐんだままだ。
そしてベッテルも同様である。
「新たに何かいうことはない」と、ソチで報道陣の質問に答えるベッテル。「いずれ近いうちにアナウンスできればいいと思っている」
「それが明らかになりさえすれば、なぜ僕が待たなければならないのか、賢明な皆さんなら理由を分かってもらえるだろう」と、ベッテルはいう。
こうしたベッテルのコメントは、先週のF1第15戦日本GPに端を発する衝撃的な「シリー・シーズン」のうわさを受けてのものだ。
ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、マクラーレンと契約を交わすために英ウォーキングの本拠地を訪れたといわれている。同チームは否定するが、同時に、ベッテルの行き先はもしかするとフェラーリではないのではとの話もある。
マクラーレンの来季ラインアップはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とベッテルとする報道もあるぐらいだ。
ちょうど一週間前、F1日本GPの舞台、鈴鹿サーキットでフェラーリのうわさについて記者団に囲まれたベッテルは、次のように話していた。「この二、三年、常にうわさがついて回っている。特にこの時期はね」
「もしかすると、うわさにかけては(マクラーレンの)ジェンソン(バトン)のほうが多いかも。来年の彼はチームメートが17人ぐらいに増える勢いだよ」
「数週前は、僕もその一人だった。来週また、その中に加わるかもね」