2014年シーズンにケータハムの控えドライバーを務めることが発表されたオランダ人ドライバーのロビン・フラインスが、現代のF1は「不公平」だと語った。
F1昇格を目指す若手の中でも才能に恵まれていると考えられている22歳のフラインスだが、スポンサー不足によってF1のシート獲得が失敗に終わるという現実に直面してきた。
2013年シーズンにはザウバーの控えドライバーを務めながら、同時に下位カテゴリーであるGP2シリーズでも全11戦中6戦に出走していた。だが、フラインスは資金不足のため、最終的にはそのいずれのシートも失ってしまっていた。
2014年シーズンはケータハムの控えドライバーとして、何レースかにおいて金曜フリー走行に出走することになると考えられているフラインスだが、今年はGP2シリーズへの出走チャンスはなさそうだ。現在、F1のサポートシリーズであるGP2は、資金を持ち込んでシートを得る「ペイドライバー」によって支配される形となっているためだ。
フラインスは、F1も同じような方向へ進みつつあると語るとともに、2013年に自身が置かれていた状況に言及しながら、次のように述べた。
「公平ではないと思ったよ。僕は何年も懸命に頑張ってきていたからね。(下位カテゴリーで)タイトルも取ったし、すべてのレースで限界まで戦ってきた。でも、それはいったい何のためだったんだろう?」
「この世界は公平じゃないよ。お金がすべてなんだ。(サッカーチームの)バルセロナに2,000万ドル(約20億円)を払ってゲームに出してもらうようなものだ」
「ここでもそれと同じさ」、とスペインの『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に語ったフラインスだが、慌てたように「彼らが悪いドライバーだと言っているわけじゃないんだ」と付け加えると、さらに次のように続けた。
「これまでもお金は重要だった。でも、今ほどではなかったよ。4年前に経済危機が起こってから、どのチームも本当に苦しんでいる。そして、今年からV6ターボエンジンに変わることで、コストがさらに膨らんでいるんだ」
さらに、2013年にザウバーとの関係が終わることとなった状況について、フラインスは次のように説明した。
「シーズンの最後のほうではクルマはとても良かった。でも、中盤には誰もが知っているように財政問題を抱えていたんだ」
「そして、シロトキンの話が持ち上がり、僕の居場所はなくなった。でも、ザウバーでの経験については後悔などしていないよ。状況については分かっているし、彼らを責めることなどできない」
今シーズンはケータハムと新たに控えドライバー契約を結んだフラインスだが、すでに1月末に行われたヘレスでのシーズン前公式テストにおいて2014年型車のテストを担当している。ただ、実際にはルノーエンジンに技術的問題が発生したことにより、ほとんどまともに走行することはできずに終わってしまった。
フラインスは、ケータハムとの契約に関して、次のように語った。
「僕はマネジャーを変えたんだ。そして、このケータハムでのチャンスを手に入れることができた」
「昨年のザウバーのときよりも、もっとチームにかかわっているし、サーキットでの走行時間も増えることになる。それは最近ではかなり珍しいことだよ」
「彼らが僕に信頼を置いてくれていると感じているし、それは非常に重要なことだ」、とフラインスは付け加えた。