20日(木)に、パリのコンコルド広場にあるFIA(国際自動車連盟)本部において、メルセデスAMGとピレリがバルセロナで行ったテストに関する国際法廷が開始されたが、意外にも、そこにはレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーの顔があった。さらには、マクラーレンとウィリアムズの代理人も詰めかけていた。
ライバルチームたちが成り行きを見守る中、FIAの法務担当者は大きな論争を呼ぶこととなったメルセデスAMGが5月にバルセロナで行ったテストについて、ルールを破っていたことは明らかだとし、次のように糾弾した。
「サーキットでの走行は、どのようなものであれ、テストを実施したものとみなされる」
「メルセデスAMGがそれによって何の利益も得ていなかったということは難しい」
FIAはさらに、メルセデスAMGとピレリがテストの許可を得るために行ったやり方は「非常に奇妙」だったと主張した。FIAは、メルセデスAMGやピレリが、F1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングやFIAの法務部門に対し、「非公式」な電話やEメールでのやりとりを行ったものの、その後明確な回答を得ることなく、テストを実施したとしている。
だが、メルセデスAMGの弁護士は、F1の競技規則にはただ、チームはテストを「企てては」ならないと、記されているだけであり、メルセデスAMGでは実際には何のルールも破っていないと、反論に出た。
「あれはピレリによって企画されたテストであったことに反論の余地はない」と弁護士は主張。
さらに、フェラーリもバルセロナでのセッションの数週間前に1,000キロメートルのテストを行っていたと非難した弁護士だが、テストを担当したルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが真っ黒なヘルメットをかぶっていたことについては、「悔いの残る」判断だったと認め、次のようにコメントした。
「われわれは、この外見が疑念を膨らませることにつながったことは認める」
一方、強気に出たピレリは、そのテストはFIAとの契約に完全に従って行われたものだとし、自分たちはチームでもドライバーでもないため、処分の対象とすることはできない、との主張を行った。