御年71歳のフランク・ウィリアムズ卿。彼が見据えるもの、それは自らの名を冠したF1チーム、ウィリアムズの未来だ。
カナダのフランス語紙『La Presse(プレス)』のインタビューを受けたウィリアムズは、長くチームを続ける秘けつについてきかれ、いたずらっぽく次のように話している。「答えは簡単だよ。多くの他チームに先立ってF1を始めたことさ」
まさしくその通りで、フェラーリやマクラーレンと同様、ウィリアムズの名はF1と同義語になっている。ウィリアムズもそれを変えるつもりは毛頭ないという。
「永久に続くチームなんて夢の話だが、夢を見るのは自由だ。私は、心底チームの永続を願っている」と、ウィリアムズは語り、次のように続けた。
「F1が続く限り、われわれもがんばるよ。それもただ続けるだけじゃない。トップに返り咲いてみせる」
「人が抱く自動車や船舶、航空機へのあこがれは決して変わることがない。スポーツの持つ情熱や競争心、これも変わらない。われわれは、末永く競争の世界に身を置いていたいね」
しかし、イギリスのオックスフォード州に本拠を置く同チームの現状は芳しいものではない。
このことについてウィリアムズは次のように話す。「楽をした時期なんてウィリアムズにはないよ。レースに勝っていたころはあまり苦労を意識しなかったが、それでも相当苦しかった」
「アクティブ・サスペンション(足回りをコンピューターで制御するシステム)の時は、それはもう大変だった。でも今と比べたらよい時代だった。当時は決定的な優位を築くことが可能だったからね」
「1990年代や2000年代に見られた技術の進歩は、今や空力競争に取って代わられた感じがあるよ。そのせいでどのチームも苦労が増している」とウィリアムズは締めくくった。