元F1ドライバーのミカ・サロによれば、ロメ・グロジャン(ロータス)のF1キャリアに黄色信号がともっているという。
グロジャンはここまで、昨シーズンはられた「オープニングラップの狂人」というレッテルを封印し、成長した走りを見せていたように思われた。しかし、先日行われたF1モナコGP(26日実施)では4回もクラッシュ。一気に昨年の悪夢へ逆戻りしてしまった。
ダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)とのクラッシュについては、次戦F1カナダGP(6月9日決勝)で10グリッド降格の処分を受けることが決まっており、ロータスから放出される日が近いのでは、とのうわさが一気に再燃し始めている。
サロはフィンランドのテレビ局『MTV3』に「ロータスがどのような決定を下すのかは分からないが、グロジャンは大きなダメージをもたらし、多くのポイントを失っている。これは財政面でチームが求めているものではない」と述べた。
さらにサロは、「ほかのドライバーにケガを負わせるのは時間の問題だろう。あるいは、彼自身がケガを負うかもしれない」と警笛を鳴らす。
「グロジャンはとてつもなく速いが、このシリーズ(F1)において容易にミスを犯しすぎる。これまでに十分実践を積んできたはずだ。だが、お遊びは終わりだ。ここはもう練習の場ではないんだから」とサロはグロジャンのドライビングに注文をつけた。
また、セルジオ・ペレス(マクラーレン)もモナコGP後に詳しい調査を受けている。タイトル争いで首位を行くセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を追いかけるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とキミ・ライコネン(ロータス)の両ドライバー、そしてペレスのチームメートであるジェンソン・バトン(マクラーレン)に対しても危険な走行を見せていた。
ジャン・エリック・ベルニュ(トロ・ロッソ)もペレスの運転にまゆをひそめるひとりだ。
「正直言って、ほかのドライバーの不運を喜ぶ気にはなれないね。だって僕にも起きたことがあるから」とベルニュは『Auto Hebdo(オート・エブド)』に話した。
「でも、もしひとことコメントを求められたら、きっとこう言っただろう。セルジオは運が悪かったんじゃない。彼がレースを終えたのは、彼自身がそう望んでいたからさ。あるいは、少なくとも彼はベストを尽くしていたように見えた、ってね」
「不運っていう言葉は、ロメ(グロジャン)に突っ込まれたダニエル(リチャルド/チームメート)のほうだよ!」