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メルセデスAMGの極秘F1テスト、大きな騒動に発展へ

2013年05月29日(水)10:30 am

メルセデスAMGの極秘F1タイヤテストをめぐる騒ぎが一段と大きくなりそうだ。ライバルチームがF1の公式タイヤサプライヤーであるピレリから今回のテストについて知らされていなかったと主張しており、今後大きな騒動に発展しそうな様相を呈している。

F1を統括するFIAは、ほかのすべてのチームも同じ機会を与えられていたら、ピレリとメルセデスAMGは間違いなくテストの許可を得ていただろうと述べ、処罰も辞さない構えを見せた。

また、フェラーリが開発ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサとともに2011年型車を使って第5戦F1スペインGP(5月12日実施)の前に極秘でピレリ向けのテストを行っていたことが明らかになった。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ピレリ向けのテストを実施するようレッドブルも要請を受けていたが、「はっきり断った」とオーストリアのテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』に述べた。

「わたしどもの見解では、こういったテストは競技規則に適用されていない。明らかな違反行為だ」

伝えられるところによると、ピレリはタイヤテストを行う可能性についてEメールで各チームに知らせていたとされるが、多くのチームはそのメールを受け取った覚えはないと否定している。

『20min.ch』は、「だまされたような気分だよ」と話すザウバーの創設者で共同チームオーナーであるペーター・ザウバーのコメントを伝えている。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』も、ピレリにタイヤテストを行う可能性があったとウィリアムズ側が知らされていなかったことを報じた。

また、ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』は、ロータスのチーム代表エリック・ブーリエがピレリ側から相談を受けていたかとの問いに対し、「ノー」と答えたと伝えた。

フォース・インディアのチームディレクター、ボブ・ファーンリーは、FOTAの会合の際、この問題が持ち上がったが、テストに対する正式な案内ではなかったと述べ、「この件に関して、ピレリから書簡をもらった記憶はない」と主張している。

現に、『Telegraph(テレグラフ)』紙は、FOTAから各チームへ宛てられた一通のメールに触れており、その中で全チームによる満場一致の承諾が無い限り、シーズン中のテストは禁ずる、と明記されている。

この問題はいま、FIAの手にゆだねられている。

「モントリオール(第7戦F1カナダGP/6月9日決勝)までに判断が下されるとは期待していない。早くてシルバーストン(第8戦F1イギリスGP/6月23日決勝)だろう」とマルコは話した。

メルセデスAMGがテストを許可されたなら、自分たちもそうされるべきだ、とライバルのレッドブルとフェラーリ両チームが提案したと言われている。

「同じレベルに到達するため、わたしたちも同様のテストを行いたい」と希望するマルコ。しかし、すべてのチーム、中でもピレリの厄介な2013年タイヤに満足しているチームがこの救済策に同意しないことは明らかだ。

「モナコでメルセデスAMGのタイヤが有利だったことは一目瞭然だった。処罰があってしかるべきだ」とマルコは『Bild(ビルト)』紙に語った。

「それにコスト面もなぞだ。あの手のテストを行うには、100万ユーロ(約1億3,200万円)近くかかるからね」

マルコにはもうひとつ気になる点があるという。それはドライバー1人あたり1シーズンで8基までに制限されているエンジンだ。極秘に行われた今回のテストでは、3レース分に相当する距離を走行しているため、エンジン1基分を消耗したのではないかと見られている。

「やるべきことはたくさんある」とマルコは語り、次のように続けた。

「わたしたちはこのテストを行いたい。論理的には、シルバーストンがテストを実施できる唯一のチャンスになる。つまり、知識の面で追いつくまで2レース分を失うことになる」

一方で、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、負け惜しみを言っているとして、レッドブルを非難した。

「レッドブルもテストについて尋ねられていたが、ただ単にわたしたちの方が早く受け入れただけさ」

「彼らは潔く負けを認めたがらないからね」

「わたしはヘルムート・マルコと50ユーロ(約6,500円)賭けたんだ。このテストはメルセデスにとって何の因果関係もないってね」とラウダは語った。

マルコは最後に、レッドブルがモナコGPを制したニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)の優勝の妥当性に異を唱えているのではないと述べた。

「わたしたちはあえてレースが始まる前に異議を申し入れた。なぜなら、抗議の矛先はニコ・ロズベルグの優勝ではなく、テストについてだったからだ。彼のパフォーマンスは素晴らしかったし、2位と3位という結果にも満足している」とマルコは強調した。

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