元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、F1の公式タイヤサプライヤーであるピレリの2013年シーズン用タイヤの開発の方向性について「理解に苦しむ」と非難した。
かつてマクラーレンやフェラーリで活躍し、その後一時期はトロ・ロッソの共同オーナーでもあったベルガーは、オーストリアの『APA通信』に対し、「昨年のタイヤはとても有効だった」と述べ、次のように続けた。
「多分、ピレリは各ドライバーにもう一回余計なピットストップをさせることで、見せ場を多くしたいと思っているんだろう」
「だが、せっかく風洞テストやエンジン、そしてドライバーのために巨額の投資を行ったのに、サーキットにきてみたらタイヤが使えないなんて、それはあんまりだろう」
先月、気温の低いスペインで行われたF1公式シーズン前テストのことを引き合いにだしながら、そう述べたベルガーだが、実際のレースになれば状況が変わる可能性も認めつつ、「不運な状況だった」と付け加えている。
ベルガーはまた、タイヤはF1においてこれまで常に大きな論点となってきたと考えている。過去には(複数メーカーによる)タイヤ戦争の時期があり、それこそが「真の戦い」だと表現し、次のように続けた。
「今では(タイヤメーカーは)1社だけだが、それ(タイヤの要素)がF1レースを支配するようなことはあってはならないよ」
ベルガーと同じオーストリア出身のディートリッヒ・マテシッツ(レッドブルのチームオーナー)もこの意見に賛成のようだ。マテシッツは『Blick(ブリック)』紙に次のように述べた。
「ずっと何日も時間をかけて分析する必要のないタイヤであれば、そのほうがいいだろうね」