ウィリアムズF1チームの株主のひとりであり、取締役でもあるトト・ヴォルフは、今後ドライバーのマネジメント業務からは手を引くことになりそうだ。
ヴォルフは、自分がマネジメントを担当している22歳のフィンランド人ドライバー、バルテリ・ボッタスを2013年シーズンにウィリアムズからF1デビューさせることに成功している。
だが、ヴォルフはスイスの『Motorsport Aktuell(モータースポーツ・アクチュエル)』に対し、ボッタスの件はどちらかと言えば例外的なものだとし、次のように語った。
「もし今国内のカートシリーズに出走するのに10万ユーロ(約1,200万円)必要で、国際シリーズに出るために25万ユーロ(約3,000万円)が必要だとすれば、結局(ドライバーの)レベルは下がってしまうだろう」
ヴォルフは、たとえ資金が少なくとも才能豊かなドライバーが将来的にステップアップできるようであってほしいと願っているとし、そのひとつの例がボッタスだと次のように続けた。
「彼には潤沢(じゅんたく)な資金などない。だが、常に支援者がいた。それはただ彼が速かったからなんだ」
さらに、ヴォルフは、レースドライバーのマネジメントは「報われない仕事だ」と次のように続けている。
「目標を達成できなければ、すべてがマネジャーの責任になる。もしすべてが順調に進んだとしても、その後どうなるかなんて分からない。何人かのドライバーは物忘れのチャンピオンだよ」
そのヴォルフは、またボッタスのような有望な若手を育てる計画はもう持っていない、と次のように結んでいる。
「もしGP2に出走させるために200万ユーロ(約2億4,000万円)準備することが必要だとしたら、ドライバーのマネジメントなんてほとんど意味がないからね」