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ミハエル・シューマッハ、2012年のF1は「1000ピースのパズル」

2012年05月02日(水)17:10 pm

2012年のF1に対する評価が2分している。

チームもドライバーもファンも、今年のピレリタイヤがレースに大きな影響を与えていることについては、意見が一致。しかし、その評価は称賛と批判にはっきり分かれている。

シーズン開幕からの4戦で、4つのチーム、4人のドライバーが優勝したが、これは30年近くもなかったことである。こういった波乱のシーズンを演出しているのがピレリタイヤだと言われる。

ピレリへの批判の先頭に立つのはミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)だ。

「1000ピースのパズルを、毎レース完成させなきゃいけないんだ」というシューマッハのコメントを『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。

リビオ・オリッキオ記者は、『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙にこう書いた。

「競技として見れば、2012年のピレリタイヤが、レースを面白いものにしようという目的に完ぺきに合致していることは間違いない」

「しかし、F1は技術開発競争の場だということ、成功のためには優秀な人材や、巨大な資金的・技術的資源が必要だということだけを考えてみると、現在タイヤがあまりに重要な要素になっているせいで、レースの結果がマッチしていないように見える」

「私自身も、ほかの多くのF1関係者も、ピレリが開発している新バージョンのタイヤでは、タイヤがどんな挙動を示すか少し予測しやすいものに戻ればといいと思っている。レースの面白さはあまり損なわずにだが」

しかし現在のところ、チームはピレリタイヤというパズルに取り組まなければならない。5月1日~3日にイタリアのムジェロ・サーキットで行われるテストで、チームは間違いなくタイヤの理解に重点を置くはずだ。

マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュは「タイヤを真っ先に理解した者がチャンピオン争いで大きく優位に立つ」と指摘している。

分からないことが多い今年のピレリタイヤだが、広く認識されつつある点が1つある。雨のマレーシアGPで優勝したフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)を除いて、残りの3戦では、優勝したジェンソン・バトン(マクラーレン)、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)のいずれもが、ポールポジションからスタートしているという点だ。

「バトルになってしまうと、タイヤにとってベストの走行ラインをとれなくなってしまう」とメルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンは述べている。そのため、ポールからスタートして後続とのバトルに巻き込まれずに逃げ切ったドライバーが優勝する確率が高くなるのだ。

そして今、タイヤの理解を進める場として、すべての注目がムジェロに集まっている。

メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは『Bild(ビルト)』紙に対して、「このテストの数日間で、F1の力関係が変わる可能性もある」と語り、さらなる波乱を予想させた。

しかし、全員がテストに対して熱心なわけではない。マクラーレンは、経費削減の観点からムジェロでのテストに反対してきた。マクラーレンは3日間ともリザーブドライバーを走らせる。

ウィリアムズのチーフオペレーションズエンジニア、マーク・ジランも同意見だ。「テスト専門のチームを抱える時代は終わった。輸送の面では容易でない」というコメントをドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』が紹介している。

さらに、ウィリアムズのドライバー、ブルーノ・セナもこう述べた。「ムジェロはテストコースとしては理想的じゃない。F1カレンダーにある、ほとんどのコースと随分違うからね」

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