マレーシアGPでのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の勝利は驚きだったが、最も大きな話題になったのはセルジオ・ペレスが乗るザウバーの速さだった。
「どのタイヤでも、どんな状況でも安定していいラップタイムを刻んでいたチームはひとつだけだった。ザウバーだよ」そう話すのはマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュだ。マクラーレンは開幕戦に勝利し、第2戦マレーシアGPで2連勝を狙っていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーの言葉を伝えている。
「ザウバーはどんなタイヤでも完ぺきに機能させていた。これは、現時点での成功のカギだ」
「タイヤをうまく機能させるのは至難の業なんだ。そのポイントにうまくハマらせるのは難しい」
マレーシアGPの勝者はアロンソだったが、ペレスがミスをしてアロンソとの距離が広がるまで、アロンソの勝利を確信できた人はいないだろう。事実、アロンソも「疑いようもない、彼ら(ザウバー)は僕たちよりも速かった」と語っている。
ザウバーが速さを見せたのは、マレーシアの天候によるものだとする声もあるが、ザウバーは開幕戦オーストラリアでも速さを見せていた。
オーストラリアでいい結果が出なかった理由としてザウバーのチーフデザイナーを務めるマット・モリスは「(オーストラリアGPでは)スタート時にクルマを損傷していたんだ。ペレスのクルマはフロント部分、カムイ(小林可夢偉)のクルマはリア部分が壊れていた」と語っている。
しかし、その状況でもザウバーの2台はオーストラリアで8位以内に入っていた。
「マレーシアでのレースで、ようやくわれわれのクルマの速さを見せることができた」
「性質が異なる、2つのサーキットでのレースを経て、C31の成功を証明できた」とザウバーのチーム代表であるペーター・ザウバーが『Blick(ブリック)』紙のコラムにつづっている。