F1トップチームのレッドブルとメルセデスAMGは、2013年シーズン向けタイヤが上位チームのクルマを不利にしているとして、F1タイヤ公式サプライヤーであるピレリにタイヤを見直すよう圧力をかけていたが、ピレリはその可能性を否定した。
メルセデスAMGの取締役であるトト・ヴォルフとレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ピレリが来月開催予定の第4戦F1バーレーンGP(4月21日決勝)に変更を加えたタイヤコンパウンドを持ち込む約束をしたとF1マレーシアGP期間中に語っていた。
しかし、ロータスとフェラーリは現在のタイヤにとても満足しており、タイヤを変更しようといういかなる動きも「拒否」するだろうと報じられている。
フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に「2レース終えてからあわてているなんておかしい」と述べている。
ピレリのモータースポーツ部門責任者ポール・ヘンベリーも、「もしこれでタイヤを変更したとして、ある1チームを優遇したら、モンツァ(第12戦F1イタリアGP)までに選手権の結果は決まってしまうよ」と話し、メルセデスAMGとレッドブルからクレームを受けたからといって、タイヤの変更を行うことはないとスペイン紙『AS(アス)』に語った。
タイヤに関する話題はここ数日間、あまり聞かれなかったが、それはマレーシアでレッドブルとメルセデスAMGが4位までを独占したからだ。
「レッドブルのパフォーマンスは良かった」とヘンベリーは語り、次のように続けた。「おそらく、彼らはさらなるパフォーマンスを求めているのだろうが、それはどのチームも同じことだからね」
ドメニカリも「いくつかのチームがタイヤについて過剰反応している」との意見に同調する。
ヘンベリーはさらに次のように続けた。
「これはF1だ。誰もが他からアドバンテージを得ようと必死になっている。もし、パドック中を敵にまわしたら、何か行動に出ざるを得ない」
今回のタイヤ論争のタイミングは、来季以降もF1の独占タイヤサプライヤーを継続するか否かの交渉をF1最高権威バーニー・エクレストンとF1の統括団体FIA(国際自動車連盟)と行っている最中のピレリにとって、やや気まずいものであることは確かだ。ヘンベリーは、この件に関する知らせを「一刻も早く」聞きたいと語った。