フィレンツェ近くに位置するフェラーリ所有のムジェロ・サーキットが、F1のレース開催を目指しているようだ。
5月1日(火)から3日(木)にかけてシーズン中の合同テストが開催された高速サーキットのムジェロ。同サーキットの責任者パオロ・ポーリは、イタリアのテレビ『Rai Sport 1(ライ・スポルト1)』内の番組『Mattina Sport(マッティーナ・スポルト)』に出演した際、次のように語った。
「私たちは、コースの改善や設備の性能を試し、もっと大きなことが可能か検証している」
「道のりは長いが、このチャンスを逃したくはない」
ある情報筋によると、今回のテストがムジェロで行われたのは、フェラーリの力によるものだったようだ。昔の恩をちらつかせたほか、サーキット使用料を免除して各チームを説得したという。
2日(水)の観客数はおよそ1万5,000人と発表されており、平日に行われたテストとしては好調だと言える。
また、高速サーキットということもあり、ドライバーからの評価は高く、「10点満点中、8.5点は堅いね」とムジェロ初体験のニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)はコメント。レッドブルのマーク・ウェバーも同様の意見のようで、次のように語っている。
「満足度の点から言うと、ムジェロでの10周はアブダビでの1000周に値するよ」
しかしながら、F1のレース開催となると話は違ってくる。コースのすぐ近くにウォールが設置されている場所もあるなど、安全性の問題も指摘された。実際に、ビタリー・ペトロフ(ケーターハム)は『RIA Novosti(ロシア・ノーボスチ通信社)』へ、「現在のF1マシンに適切なコースなのか確信が持てない」とムジェロの安全面に対する懸念を語っていた。
また、イタリアGP開催地であるモンツァ・サーキットの責任者エンリコ・フェラーリも、次のように話している。
「私たちは2016年までFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント/F1運営会社)と契約を結んでいる」
「(ムジェロのF1カレンダー入りを目指す)動きに関しては、もちろん尊重するべきだ。しかしモンツァが自動車レースの歴史の一部を担ってきたことを忘れてはならないし、この伝統を継承していくことを望む声も決して少なくないだろう」