アルピーヌの前チーム代表であるオットマー・サフナウアーが、先週末のF1ベルギーGPで最後の仕事を終えた後に行ったことのひとつは、アストンマーティンのモーターホームに立ち寄ることだった。
■F1活動復帰の可能性を示唆したサフナウアー
『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』は、スパ・フランコルシャンを出発する前にアストンマーティンの施設から出てくるサフナウアーの姿が目撃されたと報じている。
もちろん、アストンマーティンはサフナウアーが2021年までチーム代表を務めていたチームであり、立ち寄った目的はかつての同僚たちに別れを告げるためだったのかもしれない。
そのことについて質問された58歳のサフナウアーは、次のように答えた。
「コメントはしないよ」
「ご覧のとおり、アルピーヌでの私の冒険は終わったばかりだ。これからは新たなチームに加わることもできる。成り行きを見て行こうじゃないか」
2022年にサフナウアーがアストンマーティンからアルピーヌへ移籍した際、それまでアストンマーティンのスポンサーを務めていたオーストリアの水処理関連企業であるBWTも同時にアルピーヌに乗り換えていた。
これは、サフナウアーがカギを握っていたからだと考えられており、これがサフナウアーの次のF1移籍先にとって魅力的な要素となる可能性もありそうだ。
■アルピーヌとの別れを惜しむサフナウアー
はっきりしているのは、サフナウアーがアルピーヌとの決別を残念に思っていることだろう。
「私はちょうどチームとの波長を合わせ始めたところだったんだ。全員のことをよく知り、彼らを動機づけるにはどうするべきかをね」
「上げ潮はすべての船を持ち上げると言うだろう。そして、私はそこにたどり着き始めていたんだ」
『DAZN(ダゾーン)』にそう語ったサフナウアーは、アルピーヌのスタッフたちとの別れに言及しながら、次のように続けた。
「泣きながら別れの挨拶をした人たちがいたよ。私はそうではなかったがね」
「私は彼らにこう言ったんだ。『いいかい、私はまだ生きている。私は死んだわけじゃない。私は大丈夫だ』とね」
「個人的には、私は大丈夫なんだ。私が唯一心配しているのは、エンストンとヴィリー(アルピーヌのファクトリー)で懸命に働き、いい仕事をしている素晴らしい人たちのことだ。私は彼らの未来が明るいものであることを願っているよ」
■サフナウアーのF1復帰は2025年以後?
伝えられるところによれば、サフナウアーはアルピーヌとの契約により2024年シーズン中にはほかのチームへ移籍することはできないものと考えられている。
だが、かつてはフォードやホンダで手腕を発揮し、2009年からは現在のアストンマーティンの前身チームであるフォース・インディアのCOO(最高執行責任者)としてチーム成績向上に貢献してきたサフナウアーだけに、そのうち再びF1でその姿が見られることになるかもしれない。