レッドブル・レーシング首脳のヘルムート・マルコが、アルファタウリはもっとレッドブルと同じパーツを使うようにするべきだと主張した。
●【2023F1世界選手権ポイントランキング】レッドブルはトップを独走、アルファタウリは下位に沈んでいる
■今季も下位から抜け出せそうにないアルファタウリ
世界的エナジー飲料メーカー『レッドブル』が所有するF1チームのうちトップチームのレッドブル・レーシングは2022年にドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を獲得し、今季も開幕から2戦連続で1-2フィニッシュを達成する強さを発揮している。
だが、同じく『レッドブル』がオーナーとなっているアルファタウリは、2022年にはコンストラクターズランキング9位に沈み、今年も2レースを終えた時点でまだ1ポイントも獲得することができていない。
■アルファタウリに不満を示すヘルムート・マルコ
こうした状況を受け、少し前から、『レッドブル』はそのアルファタウリを売却するか、あるいはレッドブル・レーシングとの関係を強化するためにイギリスに移転することを考えているようだとの噂が強くささやかれている。
そしてマルコも、そういったことも含めてあらゆることを検討しているのは事実だと認めている。
「昨シーズンの後、我々が満足していないのは秘密でもなんでもないことだ」
このほどドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語った79歳のマルコは、2023年のアルファタウリもあまり期待できそうではないと次のように付け加えている。
「これまで目にしてきたアルファタウリの空力的側面に関しても、我々が期待していたようなものではないよ」
■アルファタウリに必要なのはレッドブルからの供給パーツを増やすこと
来月には80歳の誕生日を迎えることになるオーストリア出身のマルコは、アルファタウリは自分たち独自の設計にあまり頼らず、レッドブル・テクノロジーズ(レッドブルの開発部門)が製造するパーツをもっと多く使用する必要があると示唆している。
「我々は、何を変えるべきかを考えなければならない」
「我々がこの分野で最高のマシンを持っているのであれば、アルファタウリはそれをベンチマークとして使わなくてはならない。なぜなら、いろんなことをするのが許されているわけだからね」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「リアエンド全体、サスペンション、ギアボックス。彼らはレッドブル・レーシングのものを可能な限りたくさん使うべきだよ」
■アルファタウリの「完全Bチーム化」が促進?
現在、『レッドブル』のセカンドチームであるアルファタウリは、トップチームであるレッドブル・レーシングのために若手ドライバーを育成するという役割を担っている。
だが、もしもアルファタウリがレッドブル・レーシングから供給を受けるパーツを増やし、マシンコンセプトもそれに合ったもの(つまりレッドブル・レーシングのコンセプト)にしていくことにすれば、アルファタウリは単に若手育成だけでなく、レッドブルの完全なBチームとしてレッドブル・レーシングのパフォーマンス向上のための実験チームとしてのカラーが強くなっていくことになるだろう。