2014年10月まで長期にわたってフェラーリの会長を務めていたルカ・ディ・モンテゼーモロが、かつて自分が率いていたイタリアの名門F1チームの現在状況を「心配」していると認めた。
■ビノットの後任選びは難航か?
フェラーリでは、2019年からワークスF1チームの代表を務めていたマッティア・ビノットを事実上更迭したが、これまでの報道によれば、来年1月からは現在アルファロメオのチーム代表を務めているフレデリック・バスールがその後任として迎えられることになるだろうと言われていた。
だが、最近ドイツのメディアが報じたところによると、バスールはフェラーリから誘われたものの、これを断っているという。
うわさでは、マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルやレッドブルのチーム代表のクリスチャン・ホーナーも同じようにフェラーリからの誘いを受けたものの、断ったと伝えられており、多くの関係者はフェラーリのチーム代表という役割は毒の入った杯のようなものだと考えているようだ。
■フェラーリ会長は3人によるワークスF1チーム運営を検討
こうした中、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は、フェラーリ会長のジョン・エルカーンは、世界的エナジー飲料メーカーである『レッドブル』が創業者のディートリッヒ・マテシッツの死を受けて対応した方法と同じように、フェラーリF1チームの運営を3人で役割分担することを目指していると報じている。
この3人体制は、経営全般の責任者、チーム代表、テクニカルディレクターによって構成されるものだという。
現在、エルカーンの下で世界的スポーツカーメーカーであるフェラーリのCEOを務めているベネデット・ヴィーニャは今週、最終的には誰がビノットの後任を務めることになるのかと質問をされると、古代ギリシャの哲学者の名前をあげながら次のようなジョークで答えたという。
「2500年前、ヘラクレイトスは『万物は流転する』と言ったよ」
■今のフェラーリにはリーダーがいないようだとモンテゼーモロ
フェラーリを離れた後はアリタリア航空の経営責任者を務めるなどしていた現在75歳のモンテゼーモロは、最近のフェラーリについて質問されると、「フェラーリの状況は残念だし、私も心配だ」と答え、次のように付け加えた。
「こういうときは、私はフェラーリのことを本当に心配しているので、リーダー不在の会社のように見えるということ以外にはコメントしたいと思わないよ」