ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、ミック・シューマッハと2023年の契約を結ばなかったのは、彼の今後の成長を待つだけの余裕がチームにはなかったためだと語った。
ハースは、2023年にはシューマッハに替えて同じドイツ出身ドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグを起用することを17日(木)に正式発表している。
■ヒュルケンベルグは中団チームを向上させる方法を知っている
どうして、シューマッハではなく35歳のヒュルケンベルグを選んだのかと質問されたシュタイナーは、今季のF1最終戦アブダビGP(20日決勝)の舞台となるヤス・マリーナ・サーキットで次のように答えた。
「経験だよ」
「彼は長期間にわたってF1で走ってきている。中団のチームでもドライブしたし、彼らがどのように取り組むのかも知っている。彼はどうすれば我々が向上するのかを知っているんだ」
「我々は2018年のパフォーマンスに戻したいと思っている。そのためには追いつかなければならないことがたくさんあるんだ。ニコ・ヒュルケンベルグなら、我々の成長プロセスを加速させる手助けができる」
■シューマッハがF1ドライバーとして不十分だというわけではない
コンストラクターズランキング5位となった2018年シーズンを引き合いに出しながらそう語ったシュタイナーは、シューマッハと2023年の契約を結ばなかったのはシューマッハのせいではなく、単にハースに3年連続でシューマッハの成長を待つだけの時間的余裕がなかっただけだと認めている。
「しかし、多くの浮き沈みがあった今年の我々の変動的パフォーマンス曲線がミックのせいではないこともはっきりさせておかなくてはならない。我々は、チームをよりよくするためにニコを選んだだけだ」
57歳のシュタイナーはそう語ると、次のように付け加えた。
「それは、ミックがレーシングドライバーとして不十分だということではない。我々も完璧ではなかったんだ」
■シューマッハの今後に関しては彼個人の問題だとシュタイナー
ともあれ、F1界が今、7度F1チャンピオンとなった伝説的元F1ドライバーであるミハエル・シューマッハの23歳の息子の今後の去就に注目しているのは確かだ。
そのことについて尋ねられたシュタイナーは、次のように答えている。
「彼がこれから何をしたいのかに関しては、簡単に話をしたよ。だが、結局のところ、それは彼の個人的問題だ。私は興味本位でそれに首を突っ込むつもりはないよ」。
■2023年のシューマッハはメルセデスの一員に?
フェラーリのアカデミードライバーとしてF1への道を歩んできたシューマッハだが、フェラーリとの関係も解消されるものと考えられている。そして、最近の報道によれば、2023年はメルセデスのリザーブドライバーを務めながら、それと並行してほかのレースシリーズに出走することになる可能性が高いと考えられているようだ。
ミハエル・シューマッハの弟であり、ミック・シューマッハにとっては叔父にあたる元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語っている。
「私は、ミックが永遠にいなくなるとは思っていないよ」
「トト(ヴォルフ/メルセデスF1チーム代表)の最近の発言は、ドライバーにどのように対応し、彼らをどう評価するかを示すものだと思う」。