レッドブル首脳のヘルムート・マルコと、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリでチーム代表を務めるフランツ・トストが、ピエール・ガスリーが今季限りでアルファタウリを去り、2023年にはアルピーヌF1マシンのコックピットに座る可能性がありそうだとの最近のうわさを否定した。
■アルピーヌがガスリー獲得に動くかもしれないとのうわさが浮上
アルピーヌは、2023年にはアロンソがアストンマーティンに、そして現在リザーブドライバーを務めているオスカー・ピアストリもマクラーレンへの移籍が濃厚となり、来年誰をエステバン・オコンのチームメートに起用することになるのかが不透明な状況となっている。
こうした中、フランスを代表する自動車会社であるルノーの事実上のワークスF1チームであるアルピーヌにとって完璧な“プランB”は、現在アルファタウリに所属しているガスリーを獲得し、オコンとガスリーというフランス人ドライバー2人によるラインアップを組むことだろうとの推測記事も報じられるようになっている。
■ガスリーがそれに前向きとなる可能性も?
実際のところ、26歳のガスリーは2023年までレッドブルと契約を結んでおり、来季もアルファタウリで走ることが正式に発表されている。
しかし、ガスリーが2023年にはトップF1チームであるレッドブルに復帰することを目指してきていたことは誰もが知るところだ。だが、レッドブルは2024年までセルジオ・ペレスとの契約を延長したことから、少なくとも今後2年はガスリーの望みがかなう可能性はなくなってしまっている。それゆえ、F1関係者の中には、2024年に向けてガスリーがほかのチームへの移籍を視野に入れる可能性が高いと考えている者も多いようだ。
そして、そういう状況を鑑みれば、アルピーヌへ移籍するチャンスがあれば、ガスリーがそれをつかもうと動く可能性もないとは言い切れないだろう。
■ガスリーが契約を解除することはできないとレッドブル首脳
今回のガスリーのアルピーヌ移籍に関するうわさについて質問されたマルコはドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように答えた。
「ガスリーには契約解除条項はないんだ」
「夏休み前にそういう条項はなかったし、夏休み後にもそういう条項はないよ」
■レッドブルがガスリーを手放すわけはないとアルファタウリのボス
だが、うわさでは、アルピーヌはピアストリ陣営から支払われる補償金を使って、ガスリーのレッドブルとの契約を買い取ることをもくろんでいるのではないかとも言われている。
しかし、アルファタウリを率いるオーストリア出身のトストは、こうした推測に関して次のように語った。
「レッドブルがピエールを手放すのは理にかなわないよ」
「レッドブルのドライバーがレースに出られない場合、その代役を務められるドライバーはほか誰もいない。それができるのはガスリーだけなんだ」
■アルファタウリの現在の課題はガスリーにいいF1マシンを提供すること
トストはさらに、イタリアのファエンツァを拠点とするアルファタウリは、このチームのナンバー1ドライバーであるガスリーに非常に満足していると主張している。
「ピエールは非常に才能がある。彼はあらゆることを注意深く考え、非常に集中しているよ」
そう語った66歳のトストは次のように付け加えた。
「いいマシンがあれば、彼は上位に食い込むことができる。それが今の我々の仕事だよ」