レッドブルは、アストンマーティンに対して法的手段に出ることを断念したようだ。
■レッドブルによく似た改良マシンを投入したアストンマーティン
今季のF1第6戦スペインGPにアストンマーティンが投入した改良マシンが、レッドブルの2022年型マシンによく似ていると指摘され、一部のメディアはそのマシンを「グリーンブル」あるいは「グリーン・レッドブル」と揶揄する状況となっていた。
そして、レッドブルでは、自分たちのマシンの設計データが何者かによって違法にダウンロードされた形跡があると主張し、アストンマーティンが自分たちの技術を違法に盗んだに違いないと示唆していた。
■違法行為の存在は証明できないとレッドブル首脳
しかし、このほどレッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、この件について『motorsport-total.com』に次のように語った。
「現段階での状況は、具体的なことは何も証明できないということだ」
「我々は追及することはしない。なぜなら、我々はアストンマーティンのことを直接的なライバルだとは見ていないからだ」
「黒か白かをはっきり証明することができないのであれば、もう手を引くしかないよ」
■FIAに明確化を求めるレッドブル
そう語ったマルコだが、自分はアストンマーティンが情報を盗んだと直接非難したことはないと主張している。
「私はデータがダウンロードされていたと言ったんだ。それがどこへ行ったとは言っていないよ」
「しかし、どこまでやっていいのか、我々はFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)に明確にしてもらいたいと思っている」
1970年代序盤にF1で9レースを戦った経験を持つ79歳のマルコはそう語ると次のように付け加えた。
「我々にはアルファタウリという姉妹チームがある。これまでに起こったことを解釈するならば、アルファタウリはもっとレッドブルに似てくるはずだよ」