2022年F1シーズンにはハースが大きな躍進を遂げることになるかもしれない。
ハースは昨年、新たな技術レギュレーションが導入される2022年のマシン開発に注力するために2021年型マシンの開発を早期にストップしていた。
そして、フェラーリとの技術提携がさらに拡大され、ハースの2022年型マシンはイタリアのマラネロにあるフェラーリ本部の敷地内に設けられた専用施設の中で開発が続けられてきていた。
そして、バルセロナとバーレーンで行われたプレシーズンテストに持ち込まれたハースF1マシンはフェラーリの2022年型マシンによく似ており、早くもフェラーリの「コピー」だと言われている。
実際のところ、バーレーンのテストでは、契約解除されたニキータ・マゼピンの後任として突然F1復帰が決まったケビン・マグヌッセンと今年2年目のF1を迎えるミック・シューマッハがいずれも好タイムをマークするなど、ハースの2022年型マシンにかなりのポテンシャルがあることを示してみせた。
とりわけ、1年のブランクをへてハースに呼び戻されたデンマーク出身ドライバーのマグヌッセンがバーレーンテスト2日目にはトップタイムを刻んだことに驚かされた者も多かったようだ。
元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーも、昨年はコンストラクターズランキング最下位に終わったハースが、今年はフェラーリとよく似たマシンでかなり躍進するだろうと考えているようだ。ダナーは母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語っている。
「それはフェラーリのコピーだ。そして彼らは後方から中団へと大幅に上がってくるだろう」
もちろん、ライバルチームたちも、フェラーリとよく似たマシンを持ち込んだハースを警戒している。
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは次のように語った。
「ハースとフェラーリについては、具体的な話をすることはできない」
しかし、概して、レギュレーションの範囲でこうした関係が存在しうることは周知の事実だ。現時点において、それがどの程度なのかが気になるところだよ」
プレシーズンテストでは信頼性に不安があることも認められたハースだが、今週末に行われる2022年F1開幕戦バーレーンGP(20日決勝)でマグヌッセンとシューマッハがどのような結果を残すのかに注目が集まるのは間違いないだろう。
2020年にはメルセデスのコピーだと認定されたレーシングポイント(現アストンマーティン)が大躍進を果たしたことが記憶に新しいところだ。
当時のレーシングポイントのマシンは、メインスポンサーであったBWTのイメージカラーであるピンク色のカラーリングを施していたことから「ピンクのメルセデス」とも揶揄されていた。
もし、今年ハースが大活躍を見せるようなことになれば、白が基調となっているハースF1マシンだけに「白いフェラーリ」と呼ばれるようなことになるかもしれない。