レッドブルとマクラーレンのチーム代表が、現時点での経済的状況を考慮して、2022年に適用されるバジェットキャップ(F1チーム予算上限)を見直すことを話し合うべきだと語った。
F1では昨年からバジェットキャップと呼ばれるチーム予算上限設定方式を導入している。そして、この予算上限値は毎年下げられていくことになっている。
実際のところ、昨年のチーム予算上限値は年間1億4500万ドル(約172億円)だったが、今年はそれが1億4000万ドル(約166億円)に減額されている。
だが、新型コロナウイルスのパンデミックにより世界的に経済が疲弊していたことに加え、現在世界を震撼させているロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的規模のロシア制裁に伴う石油や天然ガスの価格高騰が発生するなど、インフレ率が急速に上昇してきている。
こうした中、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは先週、「すでに航空貨物料金への影響が出てきている」と語り、こうした状況のもとでバジェットキャップの範囲でチーム運営をするのは難しいと示唆していた。
さらに、今週になってマクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルも、F1の財務設定に何らかの調整を加えることが適切だろうとフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「このような状況では、ここ数週間で得られた追加データをもとに、常識的な判断を下すことが重要だよ」
「これについては、何が理にかなっているのか、議論を重ねることが重要なんだ」
「我々は誰もが同じ目的を持っている。それは、正しい方向性を維持することだ」
そう語ったドイツ出身のザイドルは次のように付け加えた。
「しかし、この予期せぬ新しい状況においては、理性と可能性の範囲内で解決策を見つけ、それに従って変更することが必要だし、我々にはそのための対話をする用意があるよ」