オランダ出身の元F1ドライバーであるロバート・ドーンボスも今季のフェラーリとセバスチャン・ベッテルには失望の色を隠せないようだ。
2018年のF1シーズンも残り4戦となったが、ベッテルがタイトルを獲得するのはほぼ不可能な状況となっている。シーズン中盤までは今季のF1マシンの中でフェラーリが最強だと言われていただけに、ベッテルとフェラーリに対してはドライビングミスや作戦ミスによって自らタイトルを捨ててしまったに等しいという批判の声も多い。
2006年にはレッドブルのドライバーを務めていたドーンボスも今年のベッテルには重大なミスが多過ぎると考えている。
■ベッテルは熱くなり過ぎる
ドーンボスは、鈴鹿サーキットで行われた前戦F1日本GP決勝でベッテルが強引にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のインに入って接触し、大きく順位を下げてしまったのがその一番新しい例だと『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に語り、次のように続けた。
「彼はなぜあれほどまでに熱い走りをする必要があったんだい?」
「彼や彼のチームにとってかなり不利な状況となっている時に追い抜き不可能な位置でマックスと並ぶなんて、理解不能だよ」
ドーンボスはそうしたベッテルのミスやチームの戦略ミスによって、フェラーリはタイトル争いからまさに急降下してしまったのだと次のように付け加えた。
「すごく短期間でそうなってしまったね。10レースを終えた時点では彼はハミルトン(メルセデス)を8ポイントリードしていたんだ。そしてそれから7レース後には彼は67ポイント差をつけられてしまい、それで終わってしまったよ」
■フェラーリがライコネン放出を決めた理由は?
ドーンボスは、フェラーリがベッテルの友人でもあるキミ・ライコネンと来季の契約を結ばなかったのは、もはやフェラーリ内でベッテルの影響力が小さくなってしまっていることを示すものではないかと考えている。
「ベッテルには好敵手が必要なんだが、キミはそうではない。だから、彼ら(フェラーリ)は若くて勢いのあるやつ(シャルル・ルクレール)を彼のとなりに据えて、どうなるか様子を見ることにしたのさ。新鮮な風を入れる時なんだ」
そう語ったドーンボスは次のように付け加えた。
「心理戦で勝者となったのは明らかにルイス・ハミルトンとメルセデスだ。結果がついてこない時のフェラーリにはしばしばパニックを起こしている兆候が見られるよ」