F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが、今季のF1第10戦イギリスGP(7月16日決勝)には昨年まで使用していたハードタイヤを持ち込まないことを明らかにした。
■スペインでハードタイヤに対する不満が噴出
昨年同様、ハード、ミディアム、ソフトという3種類のタイヤが持ち込まれた先週末のスペインGP(第5戦)では、ドライバーたちがハードタイヤは硬すぎて使えないという苦情を訴えていた。
レッドブルのダニエル・リカルドは、スペインGPが開催されたバルセロナで次のように語っていた。
「ドライバーの打ち合わせ会議においてタイヤの問題を取り上げたよ。僕たちは今後このタイヤ(ハード)は使いたくないと思っているんだ。どのサーキットにおいてもね」
「シルバーストン(イギリス)ではハードが使われることになっているけれど、僕たちはそれにストップをかけるつもりだよ」
■温度変化への考慮が不足していたとピレリ
そして、そうしたドライバーたちの動きは功を奏したようだ。このほどピレリはイギリスGPに持ち込むドライタイヤから予定されていたハードをはずし、ミディアム、ソフト、スーパーソフトの3種類とすることを正式に発表した。
ピレリの4輪レース責任者であるマリオ・イゾラは、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語っている。
「我々とチームはスペインでのタイヤに関して合意に達した」
「我々の手元にあったのは冬のテストのデータだけで、それでは不十分だった。我々としても2月と3月よりも温度が上がることを計算に入れておくべきだったよ」
昨年は、スペイン、イギリス、マレーシア、日本、そしてブラジルの5か所でハードタイヤが使用されていた。イギリスにはハードが持ち込まれないことになったものの、今後マレーシア、日本、ブラジルでも同様の対応が取られるのかどうかは現時点では明らかになっていない。