メルセデスのルイス・ハミルトンが、タイヤのデグラデーションを意図的に大きくした現行レギュレーションの下での最終戦となるアブダビGPを制した。しかし、チームメイトのニコ・ロズベルグが2位でフィニッシュし、自身初となるドライバーズチャンピオンシップタイトルを獲得した。
■メルセデス勢は2回ともソフトへ
メルセデスの両ドライバーは、ウルトラソフトでスタートし、その後2回ソフトへ交換する2ストップ戦略を採った。ロズベルグは、ハミルトンのピットストップの1周後にピットストップを行う戦略だった。
■フェラーリは異なる戦略
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、メルセデスとは異なる2ストップ戦略を実行した。ウルトラソフトでスタートしたベッテルは、その後ソフト、スーパーソフトと繋ぎ、全3種類のスリックコンパウンドを使用。レース終盤、ベッテルがスピードを活かして上位2台を追い上げ、劇的なフィニッシュを盛り上げた。
■最後尾からの追い上げとなったフェルスタッペンは1ストップ
上位10グリッド中、ウルトラソフトでスタートしなかったのは、レッドブルの両ドライバーのみだった。マックス・フェルスタッペンは、スタート直後の接触によるスピンにもかかわらず、唯一のピットストップ前には2位に浮上していた。上位勢でただひとり、1ストップを採用したフェルスタッペンは、スーパーソフトによる第1スティントを最大限に活用して順位を上げ、最終的に4位でフィニッシュした。
■ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリー
「スーパーソフトでスタートするというレッドブルが土曜日に下した決断は、本日のレースで非常に重要なものになった。
マックス・フェルスタッペンは、 創造的な1ストップ戦略を最大限に活かして2ストッパー勢にチャレンジしていた。
セバスチャン・ベッテルも、スーパーソフトの性能を活用して終盤に順位を上げていた。
初のドライバーズタイトルを獲得したニコ・ロズベルグを祝福したいと思う。そして、F1での輝かしいキャリアを終えたフェリペ・マッサとジェンソン・バトンに敬意を表したい。
2016年シーズンが終了し、我々は既に2017年へ向けて動き出している。火曜日、3チームのミュールカーが初めて一同に会し、2017年型ワイドタイヤの最終開発テストを行う予定だ」