レッドブルのドライバー育成責任者のヘルムート・マルコが、今年のF1第4戦ロシアGP後にジュニアチームへと降格したダニール・クビアトが来季もトロロッソにとどまることができるかもしれないと語った。
■挫折を味わったクビアト
2014年にトロロッソから19歳でF1デビューを飾ると、翌2015年にはセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)の後任としてレッドブルのドライバーとして抜てきされるなど順風満帆のF1キャリアを築くかと思われていたクビアト。だが、レッドブルでの2年目シーズンを迎えた今季、なんと母国でのレースを終えた時点で18歳の新鋭マックス・フェルスタッペンとの入れ替え人事が行われ、再びトロロッソに逆戻りしていた。
当然ながら、今回のドライバー人事に不満を持つクビアトは、来年以降はレッドブル以外のチームへの移籍をほのめかしている。さらに、トロロッソでは今年2年目を迎えるカルロス・サインツに満足しているとともに、来季は現在GP2で活躍しているピエール・ガスリーを昇格させる可能性もあると言われている。
つまり、いずれにしてもクビアトとレッドブルの関係は今季一杯で終わりを告げることになるだろうと考えている者が少なくない。
■クビアトのトロロッソ残留を示唆したマルコ
ところが、つい最近ささやかれるようになったうわさでは、サインツが2017年にはルノーに移籍するかもしれないとも言われており、その場合、トロロッソはクビアトの残留を強く望むだろうと考えられている。
そんな中、マルコはブラジルの『Globo(グローボ)』とのインタビューの中で次のように語った。
「クビアトがどのように対処しているかは目にしている通りだ。彼はあそこ(トロロッソ)で素晴らしい仕事をしているよ」
「クビアトは、シーズン序盤には感情的な弱点を見せた時期もあった。その理由は分からないがね。だが、今ではかなりよくなってきているよ」
「もし彼がこの調子をキープできれば、彼がトロロッソで続けられないという理由など見当たらないよ」
■決定権を持つのはレッドブル
だが、伝えられるところによれば、レッドブルから降格されて以降、クビアトとマルコの関係は非常に悪化しているとも言われており、クビアトはレッドブルとの関係を絶ちたいと考えていることをほのめかしている。
しかし、マルコは次のように主張した。
「ああ、だが、彼には我々との契約があるんだ。彼が出ていくことになるのか、あるいはとどまるのか、それを決めるのは彼ではなく我々なのだ」